糖尿病教育入院パス用フィジカルアセスメントシートを作成して
【はじめに】 当院では平成19年7月から糖尿病教育入院クリニカルパス(以下教育入院パス)運用を開始している。運用から半年が経過し問題点として、運動療法を指導する際のフィジカルチェックに経験年数や知識などの個人差があった。 そのため、患者の身体機能の評価の統一と評価に基づいた運動療法の作成が行なえるよう、フィジカルアセスメントシートを作成し患者指導の際に使用することとした。 【フィジカルアセスメントシート導入前の教育入院の現状と問題点】 院内のテキストを使用し、理学療法士が運動療法を指導し、指導中の情報収集から退院後適切な運動が行なえるよう運動処方箋を作成していた。 この際に腰痛や両膝の...
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Published in | 九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 Vol. 2008; p. 120 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
九州理学療法士・作業療法士合同学会
2008
Joint Congress of Physical Therapist and Occupational Therapist in Kyushu |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0915-2032 2423-8899 |
DOI | 10.11496/kyushuptot.2008.0.120.0 |
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Summary: | 【はじめに】 当院では平成19年7月から糖尿病教育入院クリニカルパス(以下教育入院パス)運用を開始している。運用から半年が経過し問題点として、運動療法を指導する際のフィジカルチェックに経験年数や知識などの個人差があった。 そのため、患者の身体機能の評価の統一と評価に基づいた運動療法の作成が行なえるよう、フィジカルアセスメントシートを作成し患者指導の際に使用することとした。 【フィジカルアセスメントシート導入前の教育入院の現状と問題点】 院内のテキストを使用し、理学療法士が運動療法を指導し、指導中の情報収集から退院後適切な運動が行なえるよう運動処方箋を作成していた。 この際に腰痛や両膝の関節痛の有無を聴取し必要に応じて個別療法を実施し、退院後も適切な運動が実施できるように関わりを持っていた。 元来クリニカルパスはスタッフによる能力差を改善させ標準化を図るツールである。しかし、現状ではスタッフの経験年数により指導内容が異なっており、経験年数を問わず詳細な評価が行なえるツールが必要であった。 また、運動指導に関しても、自律神経系や腎機能などのリスクも十分に配慮できておらず、医師の設定消費カロリーの運動しか処方できていなかった。 【内容】 評価項目は、自律神経障害、感覚障害、視力障害、循環器機能、身体機能(体重、運動歴、運動時痛など)の5項目とした。自律神経機能障害、視力障害は心電図や医師による眼底検査により評価を行う。感覚障害、循環器障害、身体機能に関しては理学療法士がフィジカルアセスメントシートを使用し評価を行なう。その評価内容より、シートに基づき運動強度や運動種目を選択していく。身体機能でも膝・腰部障害を合併する症例においては、医師に情報提供し個別療法にて対応し、退院までに運動が行えるようコンディショニングを行なう。 【効果】 教育入院パスに関わる職員が同じ視点で評価を行なえるようになった。さらに評価を基に安全な運動プログラムを処方・患者のフィジカルを確認できる様になり、治療効果を確認できるようになったことで、より質の高い教育入院パスが運用できるようになった。 【まとめ】 今回フィジカルアセスメントシートを導入することで、スタッフ間の評価や運動処方を標準化することができた。安全により効果的な運動療法を行なうためには、患者の個別性に応じてプログラムの立案が不可欠である。今後は、入院中の運動療法のサポートだけでなく、退院後の運動の継続が行えているか評価できる体制作りが課題と考える。 |
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Bibliography: | 120 |
ISSN: | 0915-2032 2423-8899 |
DOI: | 10.11496/kyushuptot.2008.0.120.0 |