発汗量による交感神経節ブロックの効果判定法
交感神経の節後線維にはアドレナリン作動性のものとコリン作動性のものがある. 交感神経節ブロックの効果判定法として, 広く行なわれている方法は血流量増加を指標とするアドレナリン作動性線維の遮断を対象としたものである. そこでコリン作動性線維の遮断を検出するために, ブロムフェノールブルー法発汗テスト紙上に得られた発汗点像の濃度を, コンピュータ画像処理によってスコア化し, 発汗量を半定量的に評価する方法を考案した. 紙上の水分量と処理したスコアには相関係数0.99の有意な相関が認められた. 本法を用いて, 星状神経節ブロック前後の手掌発汗量, および腰部交感神経節高周波熱凝固術前後の足底発汗量変...
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| Published in | The journal of the Japan Society of Pain Clinicians = 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 3; no. 1; pp. 39 - 45 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
25.01.1996
日本ペインクリニック学会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 1340-4903 1884-1791 |
| DOI | 10.11321/jjspc1994.3.39 |
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| Summary: | 交感神経の節後線維にはアドレナリン作動性のものとコリン作動性のものがある. 交感神経節ブロックの効果判定法として, 広く行なわれている方法は血流量増加を指標とするアドレナリン作動性線維の遮断を対象としたものである. そこでコリン作動性線維の遮断を検出するために, ブロムフェノールブルー法発汗テスト紙上に得られた発汗点像の濃度を, コンピュータ画像処理によってスコア化し, 発汗量を半定量的に評価する方法を考案した. 紙上の水分量と処理したスコアには相関係数0.99の有意な相関が認められた. 本法を用いて, 星状神経節ブロック前後の手掌発汗量, および腰部交感神経節高周波熱凝固術前後の足底発汗量変化を測定し, 同時にサーモグラフィーによって皮膚温を測定した. いずれも交感神経遮断後には危険率5%以下の発汗量の有意な減少と, 同じく皮膚温の上昇が見られた. ブロック効果の判定には血流量の増加や皮膚温の上昇を招来するアドレナリン作動性要素の測定だけでなく, コリン作動性の発汗量を測定することが, 特に血管の器質的閉塞が進行している例では重要であると考えられ, 発汗量測定の定量化は交感神経活動を定量可能とした. |
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| ISSN: | 1340-4903 1884-1791 |
| DOI: | 10.11321/jjspc1994.3.39 |