新人看護師に対する移植看護教育の効果と課題について

【目的】A病棟の過去3年間のクリニカルコーチ(以下CC)が行った新人看護師に対する移植看護教育を振り返り学習者が感じた教育効果と課題について明らかにする。【方法】A病棟のCCが移植看護教育に関わった看護師経験年数2‐4年の看護師8名を対象に自記式質問紙調査を行い、結果を質的内容分析した。【結果】本研究に同意が得られた6名を対象に分析した。分析の結果、学習効果として【根拠を持った看護ケアが提供できる】【患者へ根拠ある説明ができる】【分からないことが何かがわかる】の3つの要素が抽出された。一方で【学習ツールの少なさ】が自己学習の最も困難な要素として抽出され、実践場面においては【病態理解】【想定外の...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s291_1
Main Authors 内藤, 加奈子, 岩井, 英恵, 村上, 裕美, 小川, 実律恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.58.Supplement_s291_1

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Summary:【目的】A病棟の過去3年間のクリニカルコーチ(以下CC)が行った新人看護師に対する移植看護教育を振り返り学習者が感じた教育効果と課題について明らかにする。【方法】A病棟のCCが移植看護教育に関わった看護師経験年数2‐4年の看護師8名を対象に自記式質問紙調査を行い、結果を質的内容分析した。【結果】本研究に同意が得られた6名を対象に分析した。分析の結果、学習効果として【根拠を持った看護ケアが提供できる】【患者へ根拠ある説明ができる】【分からないことが何かがわかる】の3つの要素が抽出された。一方で【学習ツールの少なさ】が自己学習の最も困難な要素として抽出され、実践場面においては【病態理解】【想定外の出来事への対応】【個別性に沿った指導】【家族との関わり】【多職種連携】が教育だけでは不足していたが、それらは先輩の姿を見て学ぶことで補完していたことが明らかになった。【考察】CCが行った移植看護教育は、根拠に基づく看護実践の提供に繋がり効果があったと考えられる。しかし、自己学習や勉強会では獲得できない知識が多くあり、複雑な移植看護の実践場面において多岐にわたる経験が必要になっていることが示唆された。このことから、複雑な病態生理と患者支援を学ぶためのOJTは効果的であり、指導者と学習者が共通した学習認識が得られる基礎的なツールが確立することで円滑な移植看護教育が行えると考えられる。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.Supplement_s291_1