高等学校における脳死と臓器を主体とした教育プログ構築のためのアンケート調査

【目的】 高等学校の検定教科書を調査したところ、脳死や臓器移植に関する用語の説明や使用に複数の誤りがあった。それに先立って実施した高等学校における脳死と臓器移植の教育内容も多岐に及んでいたため、専門家が関与した生命倫理の教育プログラムの開発が必要と考えた。そこで茨城県の高校での生命倫理教育の脳死と臓器移植に関するアンケート調査を実施した。【方法】 アンケート調査は郵送で行い茨城県の高校117校を対象とした。教育プログラムを構築するために何が必要かを明らかにするための項目で構成された。【結果】 回答率は44.4%であった。そのうち64.5%の高校が「脳死と臓器移植に生命倫理教育プログラムを利用し...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s353_3
Main Authors 中原, 毅, 浦山, 修, 山縣, 香織, 大越, 教夫, 澤田, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.57.Supplement_s353_3

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Summary:【目的】 高等学校の検定教科書を調査したところ、脳死や臓器移植に関する用語の説明や使用に複数の誤りがあった。それに先立って実施した高等学校における脳死と臓器移植の教育内容も多岐に及んでいたため、専門家が関与した生命倫理の教育プログラムの開発が必要と考えた。そこで茨城県の高校での生命倫理教育の脳死と臓器移植に関するアンケート調査を実施した。【方法】 アンケート調査は郵送で行い茨城県の高校117校を対象とした。教育プログラムを構築するために何が必要かを明らかにするための項目で構成された。【結果】 回答率は44.4%であった。そのうち64.5%の高校が「脳死と臓器移植に生命倫理教育プログラムを利用しますか?」との質問に使用すると回答した。 教育プログラムに含めたい内容は、脳死とは何かが最も多く、日本の脳死臓器提供の現状、臓器提供意向表示カードの存在、自分で考えることの重要性などが多かった。これらの結果に基づいて、脳死と臓器移植に関する生命倫理プログラムを作成した。【結論】 茨城県の高校教員を対象としたアンケート調査において、脳死と臓器移植に関する新たな教育プログラムを活用したいという回答が多く得られたことを受け、DVD教材および教員向け補足冊子と生徒用ワークシートとを作成し117校に郵送した。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s353_3