腎移植レシピエントにおけるSARS-CoV-2 mRNAワクチン接種後の抗体獲得率

【背景】腎移植レシピエントでは免疫抑制療法のためSARS-CoV-2 mRNA vaccinationによる抗体獲得率が低いと報告されている。本邦では諸外国と比較し、生体腎移植が多く、免疫抑制薬の治療レジメなどが異なる。日本人腎移植レシピエントのワクチン接種後の交代獲得率を調査した。【方法】対象は名古屋大学医学部付属病院へ通院中の日本人腎移植レシピエントのうち、SARS-CoV-2 mRNAワクチンを受けて、抗体価を測定した106名。抗体価は2回のワクチン接種後3週間から3か月の間にSARS-CoV-2 IgG II Quant Reagent Kit(R)により測定し、50 AU/mL以上を...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s270_3
Main Authors 高井, 奈美, 古橋, 和拡, 藤田, 高史, 齋藤, 尚二, 加藤, 真史, 安田, 宜成, 田中, 章仁, 菊地, 良介, 丸山, 彰一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.57.Supplement_s270_3

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Summary:【背景】腎移植レシピエントでは免疫抑制療法のためSARS-CoV-2 mRNA vaccinationによる抗体獲得率が低いと報告されている。本邦では諸外国と比較し、生体腎移植が多く、免疫抑制薬の治療レジメなどが異なる。日本人腎移植レシピエントのワクチン接種後の交代獲得率を調査した。【方法】対象は名古屋大学医学部付属病院へ通院中の日本人腎移植レシピエントのうち、SARS-CoV-2 mRNAワクチンを受けて、抗体価を測定した106名。抗体価は2回のワクチン接種後3週間から3か月の間にSARS-CoV-2 IgG II Quant Reagent Kit(R)により測定し、50 AU/mL以上を陽性とした。【結果】対象者106名中で陽性は41名(38.6%)であった。抗体獲得率に関連する因子として、BMI(OR 1.24, 95% CI 1.08-1.41, P<0.05)、移植からの期間(OR 1.01, 95% CI 1.00-1.02, P<0.05)、eGFR(OR 1.07, 95% CI 1.02-1.11, P<0.05)が関連した。【結論】腎移植レシピエントはSARS-CoV-2 mRNAワクチン接種後の抗体獲得率が低く、ワクチン接種後も厳重な感染対策を継続しなければならない。加えて免疫抑制治療中の患者において抗体獲得率を高めるSARS-CoV-2 mRNAワクチン接種方法の検討が必要である。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s270_3