当院における先行的生体腎移植(preemptive kidney transplantation:PEKT)の至適移植外来紹介時期の検討
【緒言】先行的生体腎移植(preemptive kidney transplantation:PEKT)は,移植医の側からみると術後経過の観点からは歓迎すべき移植であり、腎臓内科医の側からは,ときとしてその早すぎる手術タイミングを疑問視してしまう移植である。しかし、この腎移植形式が世界的に普及しているのは事実であり、本邦でもPEKTが増加しつつある。当科でも2002年よりPEKTを開始し、これまで30例を経験した。移植前に多数の検査が必要な腎移植である。PEKT希望症例を移植外来へ紹介する時期や手術を施行するタイミングに悩むことは少なくない。【対象・方法】当科へ紹介されたPEKT希望症例51例...
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| Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s365_1 |
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| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本移植学会
2022
The Japan Society for Transplantation |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
| DOI | 10.11386/jst.57.Supplement_s365_1 |
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| Summary: | 【緒言】先行的生体腎移植(preemptive kidney transplantation:PEKT)は,移植医の側からみると術後経過の観点からは歓迎すべき移植であり、腎臓内科医の側からは,ときとしてその早すぎる手術タイミングを疑問視してしまう移植である。しかし、この腎移植形式が世界的に普及しているのは事実であり、本邦でもPEKTが増加しつつある。当科でも2002年よりPEKTを開始し、これまで30例を経験した。移植前に多数の検査が必要な腎移植である。PEKT希望症例を移植外来へ紹介する時期や手術を施行するタイミングに悩むことは少なくない。【対象・方法】当科へ紹介されたPEKT希望症例51例を対象とし後方視的検討を行った。【結果】希望通りPEKT施行できた症例は30例(58.8% ※PEKT群)、腎移植前に短期間の透析導入となった症例は21例(41.2% ※non-PEKT群)。全症例紹介時のsCr:6.10 ㎎/dl、eGFR:8.85 ml/min。PEKT群紹介時sCr:6.05 ㎎/dl、eGFR:8.50 ml/min。non-PEKT群紹介時 sCr:6.39 ㎎/dl 、eGFR:8.50 ㎎/dl。移植前透析期間:6.0ヶ月。紹介元はPEKT群:院内14件/院外16件、non-PEKT群:院内8件13件。【まとめ】先行的腎移植ガイドラインワーキンググループはPEKTの情報提供と腎移植医(施設)への紹介のタイミングをeGFR 20~30 ml/minとしているものの、実態調査では当科PEKT希望紹介受診とほぼ同等であった。PEKT目的紹介の至適時期に関して考察を加え報告する。 |
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| ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
| DOI: | 10.11386/jst.57.Supplement_s365_1 |