日本移植学会北米支部の立ち上げについて

移植医療の黎明期より日本人による移植医療への貢献は多岐にわたる。特に我が国特有の状況に適応した生体移植において世界をリードしてきた。一方で脳死ドナーや移植医療をめぐる法整備やシステム構築は欧米諸国のみならず、アジア諸国にも後れを取っている現状である。その結果、日本以外の国では移植医療で救える命が、日本において失われることは医療先進国日本においては看過できない問題である。一方で後塵を拝している現状は、他の国々の良い部分をたくさん取り入れ、日本に合うようにアレンジした最良の移植医療システムを構築するチャンスでもある。現在北米において移植に従事する医療従事者の数は60名を超えている。故郷の移植医療の...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s229_1
Main Authors 十川, 博, 加藤, 友朗, 豊田, 吉哉, 佐々木, 一成, 岩城, 裕一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.58.Supplement_s229_1

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Summary:移植医療の黎明期より日本人による移植医療への貢献は多岐にわたる。特に我が国特有の状況に適応した生体移植において世界をリードしてきた。一方で脳死ドナーや移植医療をめぐる法整備やシステム構築は欧米諸国のみならず、アジア諸国にも後れを取っている現状である。その結果、日本以外の国では移植医療で救える命が、日本において失われることは医療先進国日本においては看過できない問題である。一方で後塵を拝している現状は、他の国々の良い部分をたくさん取り入れ、日本に合うようにアレンジした最良の移植医療システムを構築するチャンスでもある。現在北米において移植に従事する医療従事者の数は60名を超えている。故郷の移植医療の現状に関しては皆が関心を寄せており、日本の移植医療がよりよく発展することを願っている。今回、日本移植学会内に北米支部を立ち上げ、人、情報の交換をすることで、日本により良い移植医療をもたらすきっかけになることを望んでいる。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.Supplement_s229_1