増加する外来フォロー腎レシピエントに対する取り組み 九州大学での現状と展望

九州大学病院ではこれまで1000件以上の腎移植を行っており、最近では毎年80~90件の腎移植を行い、腎移植レシピエントは増加する一方である。今後、腎移植患者が増加しても持続可能な腎移植外来を形成する必要がある。そこで、我々の3つの取組をご紹介する。 【1】学内での腎臓内科との連携:移植外科では新たな生体腎移植ペアの新患外来や検査、献腎移植患者の診察、登録が必要となる。一方で、維持患者は内科的管理がメインであることから、1年以上経過して腎生検にて拒絶反応のないことを確認した腎移植患者は腎臓内科に転科しフォローしている。 【2】関連病院での移植外来の設立:大学での外来日が週2日に限定されているため...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s181_1
Main Authors 野口, 浩司, 小川, 智子, 津々浦, 康, 佐藤, 優, 岡部, 安博, 宮本, 京子, 加来, 啓三, 久保, 進祐, 中村, 雅史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.58.Supplement_s181_1

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Summary:九州大学病院ではこれまで1000件以上の腎移植を行っており、最近では毎年80~90件の腎移植を行い、腎移植レシピエントは増加する一方である。今後、腎移植患者が増加しても持続可能な腎移植外来を形成する必要がある。そこで、我々の3つの取組をご紹介する。 【1】学内での腎臓内科との連携:移植外科では新たな生体腎移植ペアの新患外来や検査、献腎移植患者の診察、登録が必要となる。一方で、維持患者は内科的管理がメインであることから、1年以上経過して腎生検にて拒絶反応のないことを確認した腎移植患者は腎臓内科に転科しフォローしている。 【2】関連病院での移植外来の設立:大学での外来日が週2日に限定されているために近郊の関連施設に移植外来を開設して頂いた。そこでは週5日の移植外来を設けており、大学の移植外科医を派遣している。施設には移植外科医、内科医が常勤しており、緊急時には入院対応も可能である。また移植腎生検やICU管理が必要な重症患者については大学病院へ入院可能としており緊密に連携している。【3】開業医との連携:同門の移植外科医が近医で開業するため、長期経過し安定した移植患者さんをご紹介する予定である。大学病院、関連病院ともに外来待ち時間が長くなっており、また土曜日診療をしておらず、土曜日外来のある開業医は患者さんにとって非常にありがたい。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.Supplement_s181_1