Tweed法におけるClass II force svstemを用いたII級不正咬合症例の治療変化

Tweed法では、臼歯II級関係を改善するためにbulbous loopとsliding jigを用いるClass II force svstemを推奨しているが、本システムの効果について検討した報告は見られない。そこで、我々はII級不正咬合症例のClass II force systemによる治療変化を検討したので報告する。調査対象は当科で矯正治療を受けた骨格性II級不正咬合症例のうち、最大固定を要する抜歯症例でClass II force systemを用いた9名をCIII FS群とした。そして、不正咬合の状態に関わらず最大固定を要する抜歯症例の8名を対照群とした。資料として治療前後の側面...

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Published in北海道矯正歯科学会雑誌 Vol. 28; no. 1; pp. 27 - 34
Main Authors 飯田, 順一郎, 三浦, 美穂子, 今井, 徹, 藤井, 元太郎, 高田, 賢二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北海道矯正歯科学会 2000
Hokkaido Orthodontic Society
Subjects
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ISSN0916-202X
2432-6747
DOI10.20760/dokyo.28.1_27

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Summary:Tweed法では、臼歯II級関係を改善するためにbulbous loopとsliding jigを用いるClass II force svstemを推奨しているが、本システムの効果について検討した報告は見られない。そこで、我々はII級不正咬合症例のClass II force systemによる治療変化を検討したので報告する。調査対象は当科で矯正治療を受けた骨格性II級不正咬合症例のうち、最大固定を要する抜歯症例でClass II force systemを用いた9名をCIII FS群とした。そして、不正咬合の状態に関わらず最大固定を要する抜歯症例の8名を対照群とした。資料として治療前後の側面頭部X線規格写真と歯列模型を用い、顎顔面形態の変化及び上下顎前歯、第一大臼歯の歯軸変化と移動距離を計測し、各項目についてt検定を用い両群を比較検討し、以下の結果を得た。1.各群における治療前後の比較では、Cl II FS群でSNAとANBの減少、上顎前歯の舌側傾斜、咬合平面のclockwise rotationが認められ、対照群では上下顎前歯の舌側傾斜が認められた。2.両群間での治療変化の比較では、Cl II FS 群は対照群と比較して、下顎前歯の圧下、咬合平面のclockwise rotationが大きく上顎第一大臼歯の近心移動量が少なかった。以上からII級不正咬合におけるanchorage control としてのClass II force systemの有効性が示唆された。
ISSN:0916-202X
2432-6747
DOI:10.20760/dokyo.28.1_27