AWGS19基準に基づいた腎移植患者のサルコペニアスクリーニング

腎移植後の長期生着率向上により移植患者は高齢化しており、さらにより良い人生を送るためにもサルニアニア・フレイルの予防は必須と考えられてきた。2015年以降、外来でのBIAによる筋力測定を含めサルコペニア予備軍の抽出を行ってきたが、2019年以降は改訂されたAWGS基準にもとづきサルコペニアの抽出を行っている。しかしCOVID19の影響は腎移植患者の通院回数や身体機能検査などのオプション検査の回避など様々な制限をもたらした。一方で我々はCOVID19感染流行による自粛生活が男性サルコペニアに関与することを発表した。制限された環境の中でいかに簡便にサルコペニアを抽出するかが課題となった。2022年...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s305_3
Main Authors 河合, 昭浩, 剣持, 敬, 佐々木, ひと美, 伊藤, 泰平, 日下, 守, 長谷川, みどり, 白木, 良一, 竹中, 政史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.58.Supplement_s305_3

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Summary:腎移植後の長期生着率向上により移植患者は高齢化しており、さらにより良い人生を送るためにもサルニアニア・フレイルの予防は必須と考えられてきた。2015年以降、外来でのBIAによる筋力測定を含めサルコペニア予備軍の抽出を行ってきたが、2019年以降は改訂されたAWGS基準にもとづきサルコペニアの抽出を行っている。しかしCOVID19の影響は腎移植患者の通院回数や身体機能検査などのオプション検査の回避など様々な制限をもたらした。一方で我々はCOVID19感染流行による自粛生活が男性サルコペニアに関与することを発表した。制限された環境の中でいかに簡便にサルコペニアを抽出するかが課題となった。2022年外来にてAWGS2019のスクリーニング検査、握力測定、BIA法を施行した80名の腎移植患者のうち、SARC-CaIFによりスクリーニング陽性(11点以上)となったのは20名であった。これらのうち10名はサルコペニア診断基準となる低筋力および低骨格筋量でも診断基準を満たした。一方で診断基準を満たしていない10名でも握力はいずれも低下しており下腿の筋力低下を認めたことから腎移植患者におけるサルコペニアスクリーニングとしてのSARC-CaIFの有用性が示唆された。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.Supplement_s305_3