免疫抑制剤の腸内細菌および筋量への影響
【背景】腎移植後は免疫療法が必須だが、免疫抑制剤(IS)による筋量低下や腸内細菌叢(GM)の変化が報告されている。【目的】マウスにおける各種ISs内服が筋量およびGMに及ぼす影響を評価し、その関連を評価する。またヒト糞便検体におけるGMを評価する。【方法】21匹のC57BL/6J 雄マウスを7群に割り付け(タクロリムス[TAC]高容量、TAC低用量、シクロスポリン[CsA]、ミコフェノール酸モフェチル[MMF]、エベロリムス[EVR]、プレドニゾロン [PSL]、コントロール)、ISsを28日間経口投与後糞便採取した。筋量は腸腰筋をCTでの断面積および病理標本で評価した。GMの評価は16S r...
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s235_2 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2023
The Japan Society for Transplantation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.58.Supplement_s235_2 |
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Summary: | 【背景】腎移植後は免疫療法が必須だが、免疫抑制剤(IS)による筋量低下や腸内細菌叢(GM)の変化が報告されている。【目的】マウスにおける各種ISs内服が筋量およびGMに及ぼす影響を評価し、その関連を評価する。またヒト糞便検体におけるGMを評価する。【方法】21匹のC57BL/6J 雄マウスを7群に割り付け(タクロリムス[TAC]高容量、TAC低用量、シクロスポリン[CsA]、ミコフェノール酸モフェチル[MMF]、エベロリムス[EVR]、プレドニゾロン [PSL]、コントロール)、ISsを28日間経口投与後糞便採取した。筋量は腸腰筋をCTでの断面積および病理標本で評価した。GMの評価は16S rRNA遺伝子配列解析を用いて行った。ヒト糞便検体はドナーレシピエントの術前後で採取し、レシピエント術後が4検体、その他が16検体であった。【結果】TAC高容量、TAC低用量、PSL群ではコントロールと比較しCTでの腸腰筋面積低下を認め(p<0.05)、HE標本で筋繊維が萎縮していた(p<0.05)。TAC・PSL投与群とその他マウス糞便検体を比較するとGMに有意な組成変化が見られた(p=0.001)。ヒト糞便検体では移植後とその他でGMに有意な組成変化が見られ(p=0.001)、有意に多様性が減少していた(p=0.008, Shannon indexes)。【考察】マウス検体において筋量低下とGM変化の関連が示唆された。ヒト糞便検体においてはISs使用によるGMの変化が示唆された。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.58.Supplement_s235_2 |