犬糸状虫および犬糸状虫症に関する犬の飼い主の知識と意識 犬糸状虫症予防薬の適切な投与を阻害するリスク要因の抽出

犬糸状虫および犬糸状虫症に関する犬の飼い主の知識量と犬糸状虫症の予防を行うという行動の発意ならびに継続の間の相関性についてアンケート調査により検討した。犬糸状虫症予防薬を適切に投与している飼い主は,不適切な投与を行っていたり,あるいは投与を行っていない飼い主と比べて,犬糸状虫と犬糸状虫症に関する知識の量が有意に多いことが確認された。とくに,適切な投薬を行っていない飼い主は,犬糸状虫症予防薬が確実な予防効果を示すことや,この薬剤を投薬すべき期間についての正確な知識を欠いていることが多かった。このことから,犬糸状虫症予防薬の適切な投与を推進するためには,獣医療者の側から正確な情報を提供し,アドヒア...

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Published in動物臨床医学 Vol. 30; no. 4; pp. 93 - 102
Main Authors 深瀬, 徹, 中村, 有加里, 増田, 未実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 動物臨床医学会 25.12.2021
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ISSN1344-6991
1881-1574
DOI10.11252/dobutsurinshoigaku.30.93

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Summary:犬糸状虫および犬糸状虫症に関する犬の飼い主の知識量と犬糸状虫症の予防を行うという行動の発意ならびに継続の間の相関性についてアンケート調査により検討した。犬糸状虫症予防薬を適切に投与している飼い主は,不適切な投与を行っていたり,あるいは投与を行っていない飼い主と比べて,犬糸状虫と犬糸状虫症に関する知識の量が有意に多いことが確認された。とくに,適切な投薬を行っていない飼い主は,犬糸状虫症予防薬が確実な予防効果を示すことや,この薬剤を投薬すべき期間についての正確な知識を欠いていることが多かった。このことから,犬糸状虫症予防薬の適切な投与を推進するためには,獣医療者の側から正確な情報を提供し,アドヒアランスないしはコンコーダンスの向上を図ることが重要であると考えた。
ISSN:1344-6991
1881-1574
DOI:10.11252/dobutsurinshoigaku.30.93