当院における臓器移植センター設立後の取り組みと移植内科医の役割

【背景】当院は北陸で唯一の肝臓移植認定施設であるが、2021年の臓器移植センター新設を契機に多診療科および多職種が連携した肝移植術前後の管理を試みている。新体制では、消化器内科医が兼任する移植内科医1名が、多職種の協力のもと肝移植術前および術後管理の一端を担っている。今回、当院における新たな取り組みについて報告する。【方法】新規症例は移植内科医が診察し、外科、内科、放射線科がカンファレンスにて適応を検討する。待機症例は内科通院し、定期的に外科、移植コーディネーター、栄養士、小児外科等が参加するミーティングにて問題点が共有される。臓器移植センター専属職員によりEVAS更新、外注検査等のサポートを...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s304_1
Main Authors 水腰, 英四郎, 寺島, 健志, 岡崎, 充善, 水野, 一美, 蒲田, 亮介, 関, 晃裕, 中沼, 伸一, 八幡, 陽子, 八木, 真太郎, 高田, 智司, 山下, 竜也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.57.Supplement_s304_1

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Summary:【背景】当院は北陸で唯一の肝臓移植認定施設であるが、2021年の臓器移植センター新設を契機に多診療科および多職種が連携した肝移植術前後の管理を試みている。新体制では、消化器内科医が兼任する移植内科医1名が、多職種の協力のもと肝移植術前および術後管理の一端を担っている。今回、当院における新たな取り組みについて報告する。【方法】新規症例は移植内科医が診察し、外科、内科、放射線科がカンファレンスにて適応を検討する。待機症例は内科通院し、定期的に外科、移植コーディネーター、栄養士、小児外科等が参加するミーティングにて問題点が共有される。臓器移植センター専属職員によりEVAS更新、外注検査等のサポートを得る。移植前は更に麻酔科、集中治療部を加え、移植後は外科が主体となり集中治療部、内科、栄養士、理学療法士等が各々の専門性を活かし管理する。【結果】この取り組みのもと、2021年以降29名について肝移植の適応について検討を行い、5名の生体肝移植および1名の脳死肝移植を行った。また8名の脳死肝移植待機登録を行い、現在11名が脳死または生体肝移植待機中である。2021年以前の全待機登録者数は33名であり、この取り組みにより肝移植候補症例に対し的確な検討と管理が行われ、待機登録者数の増加に繋がっていると思われた。【結語】移植内科医と外科医を含めた多職種の連携は適切な患者管理に重要であると考えられた。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s304_1