CT画像による頸部リンパ節転移診断へのファジィ推論の応用

CT画像による診断は観察項目の所見評価や診断過程が検者の主観に基づくためファジィ性が存在し, 同一の基準によって評価しても診断結果が異なる可能性がある.画像診断におけるファジィ性に注目し, CT画像による頸部リンパ節転移診断にファジィ推論を応用したコンピュータ診断支援システムの開発を試みた.造影CT画像上のリンパ節の観察項目はring enhancement, low density area, 内部性状, 大きさ, 形状, 辺縁の6項目を選定した.これらの項目の所見をファジィ・スケールを用いてアナログ的にコンピュータに入力し, 主観的評価を生かすことができた.診断ロジックは各項目の入力メンバ...

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Published inInternational Journal of Biomedical Soft Computing and Human Sciences: the official journal of the Biomedical Fuzzy Systems Association Vol. 1; no. 1; pp. 49 - 56
Main Authors 片山, 佳之, 堀, 義巳, 細田, 超, 福田, 道男, 有田, 清三郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published バイオメディカル・ファジィ・システム学会 1995
Biomedical Fuzzy Systems Association
Subjects
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ISSN2185-2421
2424-256X
DOI10.24466/ijbschs.1.1_49

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Summary:CT画像による診断は観察項目の所見評価や診断過程が検者の主観に基づくためファジィ性が存在し, 同一の基準によって評価しても診断結果が異なる可能性がある.画像診断におけるファジィ性に注目し, CT画像による頸部リンパ節転移診断にファジィ推論を応用したコンピュータ診断支援システムの開発を試みた.造影CT画像上のリンパ節の観察項目はring enhancement, low density area, 内部性状, 大きさ, 形状, 辺縁の6項目を選定した.これらの項目の所見をファジィ・スケールを用いてアナログ的にコンピュータに入力し, 主観的評価を生かすことができた.診断ロジックは各項目の入力メンバーシップ関数をファジィ推論により出力メンバーシップ関数に対応させ構築した.最終推論結果は出力メンバーシップ関数のMax集合の重心で表した.対象とした52例の診断成績は90%以上の高い正診断率が得られ, 偽陰性の症例はなかった.この診断支援システムはCT画像による頸部リンパ節転移診断に有用と思われた.
ISSN:2185-2421
2424-256X
DOI:10.24466/ijbschs.1.1_49