当科における臓器移植患者のCOVID-19中和抗体獲得と感染症発症・重症化リスクの検討
目的 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染は未だ収束していない。我々はCOVID-19ワクチン接種を2~3回行った臓器移植患者を対象とし2回目接種後6ヶ月、3回目接種後1ヶ月、6ヶ月のCOVID-19中和抗体価を測定し、その獲得量の動きを確認し感染予防や重症価リスクの検討を行った。方法 臓器移植患者21例と非移植患者14例に対して2回目ワクチン接種後6ヶ月、3回目ワクチン接種後1ヶ月でCOVID-19中和抗体価測定を行い、抗体価等の比較を行った。結果 2回目ワクチン接種後6ヶ月での抗体獲得症例数は移植群:11/21例、非移植群:14/14例と有意に移植群で少なかった。また、3回目...
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s355_3 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2022
The Japan Society for Transplantation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.57.Supplement_s355_3 |
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Summary: | 目的 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染は未だ収束していない。我々はCOVID-19ワクチン接種を2~3回行った臓器移植患者を対象とし2回目接種後6ヶ月、3回目接種後1ヶ月、6ヶ月のCOVID-19中和抗体価を測定し、その獲得量の動きを確認し感染予防や重症価リスクの検討を行った。方法 臓器移植患者21例と非移植患者14例に対して2回目ワクチン接種後6ヶ月、3回目ワクチン接種後1ヶ月でCOVID-19中和抗体価測定を行い、抗体価等の比較を行った。結果 2回目ワクチン接種後6ヶ月での抗体獲得症例数は移植群:11/21例、非移植群:14/14例と有意に移植群で少なかった。また、3回目ワクチン接種後1ヶ月での抗体価は移植群:4887±1916AU/ml、非移植群:13308±3126AU/mlと移植群で有意に低く、抗体獲得症例数においても移植群:13/21例、非移植群:14/14例と移植群で有意に少なかった。 次に臓器移植患者のみで2回目ワクチン接種後6ヶ月の抗体価を抗体獲得群11例と非獲得群10例に分けて検討した。結果、非獲得群は有意に移植後年数が短く、免疫抑制剤トラフ値が高かった。また、非獲得群は血液型不適合移植が多かった。考察 移植患者はワクチンによる中和抗体獲得が困難であり、移植後早期の患者においてそれが顕著であった。移植後長期では免疫抑制剤の減量が可能となるため中和抗体の獲得が得られたと考えられる。今後も抗体価測定を予定しており検討を重ねる。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.57.Supplement_s355_3 |