東京医科大学八王子医療センターにおける臓器提供・組織提供の推移

<背景>全国的に法改正後より脳死下臓器提供件数は増加する一方で、心停止下臓器提供件数は漸減している。<方法・結果>1995年以降の当院の臓器提供データから臓器提供と組織提供件数を抽出し、心停止下臓器提供、脳死下臓器提供、組織のみの提供に分類した。さらに、2010年の法改正における組織提供数の変化について検討した。法改正前では、心停止下臓器提供24件のうち11件(46%)に、脳死下臓器提供2件のうち1件(50%)に組織提供の承諾が得られ施行されていた。そのほか、4件で組織のみの提供があった。これに対し、法改正後では心停止下臓器提供9件のうち3件(33%)に、脳死下臓器提供17件のうち5件(29%...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s164_1
Main Authors 守屋, まりこ, 佐野, 秀史, 弦切, 純也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.57.Supplement_s164_1

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Summary:<背景>全国的に法改正後より脳死下臓器提供件数は増加する一方で、心停止下臓器提供件数は漸減している。<方法・結果>1995年以降の当院の臓器提供データから臓器提供と組織提供件数を抽出し、心停止下臓器提供、脳死下臓器提供、組織のみの提供に分類した。さらに、2010年の法改正における組織提供数の変化について検討した。法改正前では、心停止下臓器提供24件のうち11件(46%)に、脳死下臓器提供2件のうち1件(50%)に組織提供の承諾が得られ施行されていた。そのほか、4件で組織のみの提供があった。これに対し、法改正後では心停止下臓器提供9件のうち3件(33%)に、脳死下臓器提供17件のうち5件(29%)に組織提供も施行されていた。組織のみ提供は5件であった。<考察>法改正による全国的な提供件数の推移は当院のデータも違わない。しかしながら、臓器提供に依存した組織提供は脳死下、心停止下のいずれでも減少傾向にあった。当センターでは臓器提供の啓蒙により患者家族の認知や理解の深まっていることは、提供意思確認の際に明らかに実感できている。その一方で、組織提供の啓蒙は十分とは言えず、そのギャプは提供意志確認をより複雑な内容にしていると考える。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s164_1