DSA陽性腎移植に対する高用量IVIGとリツキシマブを用いた脱感作療法

【はじめに】高用量免疫グロブリン静注療法(IVIG)はDSA陽性腎移植における脱感作についての有効性が報告いるが、短期間大量投与による副作用の問題もある。我々は、IVIGの効果と副作用予防のバランス最適化を模索し、現在はIVIG合計4g/kgを2段階に分けて投与する脱感作プロトコールを使用している。当院にて、IVIGとリツキシマブを用いた脱感作を行ったDSA陽性腎移植症例の成績について検討した。【方法】2008年以降のDSA陽性腎移植について抗体関連型拒絶(ABMR)、IVIG関連の副作用、腎生着、移植3週間後腎生検について調査した。DSA陽性腎移植を脱感作におけるIVIGの有無で2群に分けA...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s340_3
Main Authors 鳴海, 俊治, 島本, 侑樹, 一森, 敏弘, 姫野, 智紀, 長谷川, 雄基, 後藤, 憲彦, 平光, 高久, 岡田, 学, 西沢, 慶太朗, 二村, 健太, 児玉, 寛健, 渡井, 至彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.58.Supplement_s340_3

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Summary:【はじめに】高用量免疫グロブリン静注療法(IVIG)はDSA陽性腎移植における脱感作についての有効性が報告いるが、短期間大量投与による副作用の問題もある。我々は、IVIGの効果と副作用予防のバランス最適化を模索し、現在はIVIG合計4g/kgを2段階に分けて投与する脱感作プロトコールを使用している。当院にて、IVIGとリツキシマブを用いた脱感作を行ったDSA陽性腎移植症例の成績について検討した。【方法】2008年以降のDSA陽性腎移植について抗体関連型拒絶(ABMR)、IVIG関連の副作用、腎生着、移植3週間後腎生検について調査した。DSA陽性腎移植を脱感作におけるIVIGの有無で2群に分けABMRの頻度、腎生着、腎生検の所見について比較した。【結果】105例のDSA陽性腎移植のうち、IVIGを用いた症例(IVIG群)は25例、IVIGを用いなかった症例は(IVIG群)は78例であった。1年以内のABMR発症はIVIG群で低い傾向があった(8.0% vs. 24.4%, P=0.086)。また、退院時腎生検における炎症スコア(i+g+t+g+ptc)>=2の割合もIVIG群で低い傾向があった(8.0% vs. 29.5%, P=0.032)。腎生着については両群で差を認めなかった。結論従来のリツキシマブを用いた脱感作療法に高用量IVIGを上乗せすることで、DSA陽性腎移植におけるABMR予防に寄与する可能性がある。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.Supplement_s340_3