北米における移植内科医の役割―日米の比較

本講演では北米における肝移植内科医の役割を概説する。基本的に、北米の肝移植内科医は手術や集中治療を除いて、移植に関わるあらゆる側面に関与する。日本では主に移植前の評価が主である一方、北米では免疫抑制剤の調整や、原疾患の再発や拒絶反応の治療、更には肝臓外の合併症も含めたレシピエントの全身管理など、短期・中期・長期のフォローアップに関与する。しかし、医師以外の医療スタッフの充実もあり、業務はあくまでも内科医としての専門性にかかわる分野に限られている。また、複雑な臓器配分システムを踏まえた診療も行う必要がある。本講演では、北米の肝移植内科医の役割との違いについても概観する。最後に、演者の日本の肝移植...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s232_1
Main Author 田中, 智大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2023
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.58.Supplement_s232_1

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Summary:本講演では北米における肝移植内科医の役割を概説する。基本的に、北米の肝移植内科医は手術や集中治療を除いて、移植に関わるあらゆる側面に関与する。日本では主に移植前の評価が主である一方、北米では免疫抑制剤の調整や、原疾患の再発や拒絶反応の治療、更には肝臓外の合併症も含めたレシピエントの全身管理など、短期・中期・長期のフォローアップに関与する。しかし、医師以外の医療スタッフの充実もあり、業務はあくまでも内科医としての専門性にかかわる分野に限られている。また、複雑な臓器配分システムを踏まえた診療も行う必要がある。本講演では、北米の肝移植内科医の役割との違いについても概観する。最後に、演者の日本の肝移植施設での経験も踏まえつつ、肝移植医療に対する理想的な内科医の関わりについて考察したい。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.58.Supplement_s232_1