認知症の人を介護する家族の心理・社会的支援ニーズと関連要因

認知症の人の介護をしている家族への支援は実際のニーズをもとに調整すべきである。本研究では,家族介護者200名にWeb調査を行い,彼らが最も望む心理・社会的な支援,要介護者の年齢,続柄,介護負担感等について回答してもらい,支援ニーズと要因間の関係を多重応答分析により解析した。その結果,続柄が配偶者である場合は「家族会」,要介護者が79歳以下の場合は「認知症ケアに関する教育・研修」が近くに布置し,これらの群では能動的な参加による支援ニーズが高いと考えられた。一方,介護負担感が高い,要介護者の年齢が80歳以上である,続柄が子または子の配偶者である場合は「認知症ケアの情報提供」や「レスパイト」が近くに...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in老年臨床心理学研究 Vol. 5; pp. 49 - 59
Main Authors 武藤, 崇, 野口, 代, 山中, 克夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年臨床心理学会 31.03.2024
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2436-4568
DOI10.50944/jjcgp.5.0_49

Cover

More Information
Summary:認知症の人の介護をしている家族への支援は実際のニーズをもとに調整すべきである。本研究では,家族介護者200名にWeb調査を行い,彼らが最も望む心理・社会的な支援,要介護者の年齢,続柄,介護負担感等について回答してもらい,支援ニーズと要因間の関係を多重応答分析により解析した。その結果,続柄が配偶者である場合は「家族会」,要介護者が79歳以下の場合は「認知症ケアに関する教育・研修」が近くに布置し,これらの群では能動的な参加による支援ニーズが高いと考えられた。一方,介護負担感が高い,要介護者の年齢が80歳以上である,続柄が子または子の配偶者である場合は「認知症ケアの情報提供」や「レスパイト」が近くに布置し,これらの群では受動的な支援ニーズが高いと考えられた。また,介護負担感があまり高くない場合は「カウンセリング」が近くに布置しており,その背景やニーズに合わせた支援促進について論じた。
ISSN:2436-4568
DOI:10.50944/jjcgp.5.0_49