昭和大学における子宮移植動物実験・トレーニングについて
2022年より、昭和大学で子宮移植動物実験・トレーニングを開始したので報告する。1)サルを用いた心停止ドナー手術手技確認:【方法】安楽殺後のカニクイザル1頭を用い、子宮グラフト摘出を行う。【結果】ヒト献体臓器ドナー手術に準じ、周囲組織ごと摘出することで、手術開始から子宮グラフト摘出まで13分で終了した。【考察】以前、本発表者が行った生体ドナーモデルでは、子宮グラフト摘出まで平均5時間以上要していたが、心停止ドナーの場合、極短時間で必要な血管を温存しつつ摘出可能な事を証明できた。2)ピッグを用いた開腹自家子宮移植手術:【方法】ピッグを用い、自家子宮移植モデル作成を行う。【結果】3Rの法則に従い使...
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 58; no. Supplement; p. s310_3 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2023
The Japan Society for Transplantation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.58.Supplement_s310_3 |
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Summary: | 2022年より、昭和大学で子宮移植動物実験・トレーニングを開始したので報告する。1)サルを用いた心停止ドナー手術手技確認:【方法】安楽殺後のカニクイザル1頭を用い、子宮グラフト摘出を行う。【結果】ヒト献体臓器ドナー手術に準じ、周囲組織ごと摘出することで、手術開始から子宮グラフト摘出まで13分で終了した。【考察】以前、本発表者が行った生体ドナーモデルでは、子宮グラフト摘出まで平均5時間以上要していたが、心停止ドナーの場合、極短時間で必要な血管を温存しつつ摘出可能な事を証明できた。2)ピッグを用いた開腹自家子宮移植手術:【方法】ピッグを用い、自家子宮移植モデル作成を行う。【結果】3Rの法則に従い使用頭数を最小限にするため、開腹手術の見学による解剖確認から開始し、他実験開腹後および安楽殺前のピッグを用い2件の予備実験を行った。1件目は子宮摘出まで、2件目は子宮摘出~灌流~血行再建まで手術手技を確認した。3件目では、マイクロミニブタを用い子宮摘出~灌流~血行再建を行い、ICG及びエコーを用いて移植子宮グラフトの血流を確認した。灌流成功率50%であった。【考察】文献検索上、ピッグ子宮移植での灌流成功率37%と成功率が低く、ピッグ自家子宮移植モデル作成には、更なる改善策が必要と思われた。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.58.Supplement_s310_3 |