脳死と臓器移植を主体とした教育プログラム内容と授業後のアンケート調査

【目的】高等学校向けの生命倫理教育プログラムを作成し茨城県内の高等学校117校に郵送した。その内容に対して高校生が脳死と臓器移植に関してどのように感じるかを明らかにすることを目的とした。【方法】作成したドラマ仕立ての視聴覚映像(DVD)を含む教育プログラムを郵送した117校のうち1校を対象とした。医療系進路に関心のある2年生に、脳死と移植医療に関する講義を実施したのち、視聴覚教材(DVD)を視聴してもらい、アンケート調査を行った。教育プログラム作成の意図としては、高等学校の教員が実施できる授業を目指していたが、今回研究協力が得られた学校に相談した結果、授業は研究者が実施することとなった。【結果...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s354_1
Main Authors 中原, 毅, 山縣, 香織, 大越, 教夫, 澤田, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2022
The Japan Society for Transplantation
Online AccessGet full text
ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.57.Supplement_s354_1

Cover

More Information
Summary:【目的】高等学校向けの生命倫理教育プログラムを作成し茨城県内の高等学校117校に郵送した。その内容に対して高校生が脳死と臓器移植に関してどのように感じるかを明らかにすることを目的とした。【方法】作成したドラマ仕立ての視聴覚映像(DVD)を含む教育プログラムを郵送した117校のうち1校を対象とした。医療系進路に関心のある2年生に、脳死と移植医療に関する講義を実施したのち、視聴覚教材(DVD)を視聴してもらい、アンケート調査を行った。教育プログラム作成の意図としては、高等学校の教員が実施できる授業を目指していたが、今回研究協力が得られた学校に相談した結果、授業は研究者が実施することとなった。【結果】作成した視聴覚教材(DVD)を視聴してアンケート調査を行ったところ、「脳死と臓器移植は自分にも関係があると思う」と回答した生徒は82%、ドナー本人の意思表示の大切さを理解できた生徒は100%であった。また、他の項目においても肯定的な回答が得られ、とくに、脳死と臓器移植について家族と話したいと答えた生徒は73%であった。【結論】今回得られた高校生の意見を取り入れ、今後は教育プログラムを郵送した117校で実施したプログラム使用等のアンケート結果と、併せてプログラムの改良を目指していきたい。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.57.Supplement_s354_1