聖マリアンナ医科大学病院における腎移植後COVID-19患者の重症化リスク因子の検討
【目的】当院で腎移植を施行された後にCOVID-19を発症した患者における重症化リスク要因を調査することを目的とした。【方法】当院で腎移植を行い生着フォロー中の188人のうち、20人がCOVID-19を発症した。それらの患者の調査を、診療録を用いて後方視的に行った。重症化リスク因子として60歳以上、BMI > 30 kg/m2、 Cr > 2 mg/dL、高血圧、インスリン使用、腎移植もしくはリツキサン投与後1年以内、慢性閉塞性肺疾患、重症心疾患をそれぞれ1点としてリスクポイントを算出した。【結果】4名が呼吸器症状で入院を要し、1名で高流量式鼻カニュラ酸素療法、1名で人工呼吸器管理を行ったが、...
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| Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 57; no. Supplement; p. s265_2 |
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| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本移植学会
2022
The Japan Society for Transplantation |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
| DOI | 10.11386/jst.57.Supplement_s265_2 |
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| Summary: | 【目的】当院で腎移植を施行された後にCOVID-19を発症した患者における重症化リスク要因を調査することを目的とした。【方法】当院で腎移植を行い生着フォロー中の188人のうち、20人がCOVID-19を発症した。それらの患者の調査を、診療録を用いて後方視的に行った。重症化リスク因子として60歳以上、BMI > 30 kg/m2、 Cr > 2 mg/dL、高血圧、インスリン使用、腎移植もしくはリツキサン投与後1年以内、慢性閉塞性肺疾患、重症心疾患をそれぞれ1点としてリスクポイントを算出した。【結果】4名が呼吸器症状で入院を要し、1名で高流量式鼻カニュラ酸素療法、1名で人工呼吸器管理を行ったが、全例自宅退院となり酸素療法の継続も不要であった。入院患者のリスクポイント中央値は2 (2 - 4)、外来治療患者の中央値1(0 - 4)に比べ有意に高かった(p = 0.047, Wilcoxon検定)。また外来治療を行った患者の有熱期間(37度以上)中央値は4日 (0 – 19日)で、解熱まで5日以上要した症例を発熱遷延者と定義した。抗ウイルス療法を受けた症例は、早期解熱者では6/7例 (85%)で、発熱遷延者における2/6例 (33%)に比べ有意に多かった(p = 0.047, カイ2乗検定)。【まとめ】免疫抑制療法下においてCOVID19を発症した際に、重症化リスク因子を複数有する症例では入院加療を要する可能性があることが示唆された。外来治療において早期に解熱を得るには、抗ウイルス療法が重要であると考えられた。 |
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| ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
| DOI: | 10.11386/jst.57.Supplement_s265_2 |