心電図自動診断の精度評価ならびに有用性向上へのアプローチ 第3報:自動診断過程における不適切自動処理の実態とその問題点

「I. 背景」心電図の自動解析・自動診断においては, さまざまな過程において複雑なコンピュータ処理が行われており, 心電計メーカー各社ではそれぞれ独自のコンセプトに基づいて自動診断システムを構築している. このような心電図コンピュータ診断は, 実臨床のみならず健康診断や人間ドックなど, 健康管理の場面においても大変有用な情報をもたらすツールとして広く活用されているが, 本ステートメントの第1報, 第2報で述べたように, 頻度は高くないものの必ずしも適切でない表現や明らかに誤った診断名などが出力され, 利用者が戸惑うことも少なくない. 出力されたこれらの不適切自動診断が, どのような解析プロセス...

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Published in心電図 Vol. 43; no. 3; pp. 187 - 197
Main Authors 住友, 直方, 平岡, 昌和, 加藤, 貴雄, 八島, 正明, 渡邉, 英一, 髙橋, 尚彦, 森田, 宏, 植田, 典浩, 笠巻, 祐二, 池田, 隆徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 31.10.2023
日本不整脈心電学会
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.43.187

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Summary:「I. 背景」心電図の自動解析・自動診断においては, さまざまな過程において複雑なコンピュータ処理が行われており, 心電計メーカー各社ではそれぞれ独自のコンセプトに基づいて自動診断システムを構築している. このような心電図コンピュータ診断は, 実臨床のみならず健康診断や人間ドックなど, 健康管理の場面においても大変有用な情報をもたらすツールとして広く活用されているが, 本ステートメントの第1報, 第2報で述べたように, 頻度は高くないものの必ずしも適切でない表現や明らかに誤った診断名などが出力され, 利用者が戸惑うことも少なくない. 出力されたこれらの不適切自動診断が, どのような解析プロセスを経て導き出されたかをうかがい知ることは, 個々の詳細な診断アルゴリズムのほとんどがブラックボックスの中にあることから, 多くの場合困難であるが, 一般的には読み過ぎ, 読み落とし, 計測ミスなどが原因として考えられてきた.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.43.187