肺高血圧症に対し肺移植を施行した患者の身体機能およびQOLの推移
【緒言】当院で肺移植に至った肺高血圧(PH)患者に対し、術前後の身体機能およびQOL評価を行ったのでその推移を報告する。【対象・方法】2015年7月-2020年3月に当院で肺移植を実施したPH患者6名を対象とし、筋力(膝関節伸展、5回反復起立時間)、ADL能力(NRADL)、QOL(SF36)を評価した。評価は移植登録評価入院時、肺移植術後退院前に実施した。【結果】QOLは術前、全員が下位項目の身体機能、3コンポーネントサマリースコアの身体的側面のQOLで国民標準値以下であった。術後退院前評価では術前よりも筋力(3名)・反復起立能力(4名)が低下、5人はNRADLスコアが満点に至らず、身体的側...
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 55; no. Supplement; p. 353_2 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2020
The Japan Society for Transplantation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.55.Supplement_353_2 |
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Summary: | 【緒言】当院で肺移植に至った肺高血圧(PH)患者に対し、術前後の身体機能およびQOL評価を行ったのでその推移を報告する。【対象・方法】2015年7月-2020年3月に当院で肺移植を実施したPH患者6名を対象とし、筋力(膝関節伸展、5回反復起立時間)、ADL能力(NRADL)、QOL(SF36)を評価した。評価は移植登録評価入院時、肺移植術後退院前に実施した。【結果】QOLは術前、全員が下位項目の身体機能、3コンポーネントサマリースコアの身体的側面のQOLで国民標準値以下であった。術後退院前評価では術前よりも筋力(3名)・反復起立能力(4名)が低下、5人はNRADLスコアが満点に至らず、身体的側面(5名)、精神的側面(3名)のQOLが標準値以下だった。【結語】術後退院前は術前の身体機能レベルまで回復を認めず、QOLも低い状況であった。術後1年では術前より改善しており、QOLも向上した。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.55.Supplement_353_2 |