腎移植後E型肝炎の2例
[緒言]腎移植後、HEVによるウイルス性肝炎を発症した2例を報告する。[症例]症例1、42歳、男性。原疾患不明。33歳時に母親をドナーとする生体腎移植施行。入院2週間前から倦怠感が出現、肝酵素の上昇も認め、各種ウイルス検査の結果HEV-IgA抗体陽性であり、E型急性肝炎で入院した。免疫抑制剤の減量では肝機能の改善が得られず、リバビリンを開始したところ速やかに肝機能改善し、HEV-RNAも陰性化した。症例2、51歳男性。原疾患ADPKD。48歳時に妻をドナーとする生体腎移植施行。入院半年前から肝機能異常があり、改善がないため各種ウイルス検査を行ったところHEV-IgA抗体陽性であり、精査目的で入...
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Published in | Japanese Journal of Transplantation Vol. 55; no. Supplement; p. 386_2 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本移植学会
2020
The Japan Society for Transplantation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0578-7947 2188-0034 |
DOI | 10.11386/jst.55.Supplement_386_2 |
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Summary: | [緒言]腎移植後、HEVによるウイルス性肝炎を発症した2例を報告する。[症例]症例1、42歳、男性。原疾患不明。33歳時に母親をドナーとする生体腎移植施行。入院2週間前から倦怠感が出現、肝酵素の上昇も認め、各種ウイルス検査の結果HEV-IgA抗体陽性であり、E型急性肝炎で入院した。免疫抑制剤の減量では肝機能の改善が得られず、リバビリンを開始したところ速やかに肝機能改善し、HEV-RNAも陰性化した。症例2、51歳男性。原疾患ADPKD。48歳時に妻をドナーとする生体腎移植施行。入院半年前から肝機能異常があり、改善がないため各種ウイルス検査を行ったところHEV-IgA抗体陽性であり、精査目的で入院した。肝生検を施行したところ新犬山分類でA2/F1に相当する慢性肝炎像を呈した。[結語]腎移植後原因不明の肝機能障害を認めた場合には、HEVによる肝炎も鑑別にあげる必要がある。 |
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ISSN: | 0578-7947 2188-0034 |
DOI: | 10.11386/jst.55.Supplement_386_2 |