当科の腎移植における尿管尿管吻合症例の術後尿leakの検討

【背景】当科では萎縮膀胱に対する膀胱尿管吻合は、吻合部leakの危険因子であるため自己尿管を用いた尿管尿管吻合(UUS)を選択している。【対象・方法】2015年1月‐2019年11月に施行した腎移植191名のうちUUSを施行した23例中の術後尿leakを来した5例(21.7%)ついて検討した。UUSは全例端々吻合で尿管ステント(DJ)を留置した。【結果】移植時年齢は中央値58(47-67)歳、透析歴25(14-32)年、膀胱容量は30 (20-40) mlであった。ドナーは献腎3例、生体2例、年齢54(40-63)歳であった。尿leak診断時期は術後17(8-35)日目であった。全例でDJ留置...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 55; no. Supplement; p. 389_3
Main Authors 西村, 陽子, 三浪, 圭太, 守屋, 仁彦, 高本, 大路, 高田, 祐輔, 佐々木, 元, 原田, 浩, 田中, 博, 樋口, はるか, 平田, 由里絵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2020
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.55.Supplement_389_3

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Summary:【背景】当科では萎縮膀胱に対する膀胱尿管吻合は、吻合部leakの危険因子であるため自己尿管を用いた尿管尿管吻合(UUS)を選択している。【対象・方法】2015年1月‐2019年11月に施行した腎移植191名のうちUUSを施行した23例中の術後尿leakを来した5例(21.7%)ついて検討した。UUSは全例端々吻合で尿管ステント(DJ)を留置した。【結果】移植時年齢は中央値58(47-67)歳、透析歴25(14-32)年、膀胱容量は30 (20-40) mlであった。ドナーは献腎3例、生体2例、年齢54(40-63)歳であった。尿leak診断時期は術後17(8-35)日目であった。全例でDJ留置の延長や再留置を行い、1例で改善、4例で腎瘻管理しこのうち1例が改善した。最終的に修復手術を施行したのは3例で、2例で再UUS、1例で膀胱尿管新吻合(UVN)を施行した。再建術の所見では全例組織壊死を認め、部位は吻合部2例、自己尿管1例であった。術後2例は改善し、UVNの1例は尿管狭窄のため腎瘻管理している。【考察】吻合部治癒不全の一因としての血流障害はgraft、自己尿管双方の要因がある。対策として自己尿管の血流を温存するため最近の症例では端側吻合を行っている。DJ留置単独での改善は少なく、早期に再建術に踏み切るのも選択肢の一つである。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.55.Supplement_389_3