外傷なく発生した反射性交感神経ジストロフィー (RSD) に交代浴が著効した1例
I 反射性交感神経ジストロフィー(RSD)は, 耐え難い疼痛を主症状とし自律神経症状を伴う症候群で, その治療にはしばしば難渋する1)-3). 今回我々は, 外傷なく生じたRSDに対し交代浴を行い良好な成績を得たので報告する. II 症例 58歳, 女性. 主訴:右上肢痛. 既往歴:胃炎があり内服治療中. 家族歴:特記すべきことなし. 職業:介護士. 現病歴:平成15年3月頃より外傷なく主訴出現. 近医にてNSAIDsによる薬物的加療, 三角巾による安静加療を受けたが疼痛が軽減せず, 8月12日当科受診. 右手の異常な疼痛, 腫脹, 皮膚変色, 軽度屈曲位の関節拘縮(Fig. 1)と, 単純X...
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Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 68; no. 2; pp. 92 - 95 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
2005
日本温泉気候物理医学会 |
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ISSN | 0029-0343 1884-3697 |
DOI | 10.11390/onki1962.68.92 |
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Summary: | I 反射性交感神経ジストロフィー(RSD)は, 耐え難い疼痛を主症状とし自律神経症状を伴う症候群で, その治療にはしばしば難渋する1)-3). 今回我々は, 外傷なく生じたRSDに対し交代浴を行い良好な成績を得たので報告する. II 症例 58歳, 女性. 主訴:右上肢痛. 既往歴:胃炎があり内服治療中. 家族歴:特記すべきことなし. 職業:介護士. 現病歴:平成15年3月頃より外傷なく主訴出現. 近医にてNSAIDsによる薬物的加療, 三角巾による安静加療を受けたが疼痛が軽減せず, 8月12日当科受診. 右手の異常な疼痛, 腫脹, 皮膚変色, 軽度屈曲位の関節拘縮(Fig. 1)と, 単純X線像上関節周囲に斑点状の骨透亮像(Fig. 2)を認め, RSDと診断した. 初診時現症として, 手指関節可動域は, MP関節が屈曲:45~50度, 伸展:-20~0度, PIP関節が屈曲:60~70度, 伸展:-30~-10度, DIP関節が屈曲:30~40度, 伸展:一10~0度, 手関節可動域が掌屈:30度, 背屈:10度であった. また握力は右が0kg, 左が20kgで, 母指対立運動は不可, 利き手は右手であった. 8月14日より交代浴(40度4分, 15度1分×4回)を開始, 関節可動域訓練(自動, 他動運動)を行った. |
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ISSN: | 0029-0343 1884-3697 |
DOI: | 10.11390/onki1962.68.92 |