子どもの描画活動における視点移動と評価の関係

子どもに「チューリップ」の絵を描かせた時の視点移動を調べ,教師による評価観点との対応関係を分析した.まず,子どもの描画作品に対して,図画工作担当の教師4名が,10の評価項目について,3段階で評定を行った.この評価結果を因子分析し,評価の因子構造を明らかにした.また,子どもの描画時における,表示したチューリップの「花びら」と「茎葉」への視点の停滞時間や停留回数を調べ,評価との対応関係を調べた.同様に,チューリップを表示した「テレビ画面」と「キャンバス」に対する視点移動についても分析した.そして,両者の間の相関関係を分析評価した.1回当たりの平均停留時間と総合評価との間には負の相関があり,短時間の...

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Published in日本教育工学雑誌 Vol. 19; no. 3; pp. 151 - 158
Main Authors 橋本, 光明, 清水, 康敬, 中山, 実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育工学会 1995
Japan Society for Educational Technology
Subjects
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ISSN0385-5236
2432-6038
DOI10.15077/jmet.19.3_151

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Summary:子どもに「チューリップ」の絵を描かせた時の視点移動を調べ,教師による評価観点との対応関係を分析した.まず,子どもの描画作品に対して,図画工作担当の教師4名が,10の評価項目について,3段階で評定を行った.この評価結果を因子分析し,評価の因子構造を明らかにした.また,子どもの描画時における,表示したチューリップの「花びら」と「茎葉」への視点の停滞時間や停留回数を調べ,評価との対応関係を調べた.同様に,チューリップを表示した「テレビ画面」と「キャンバス」に対する視点移動についても分析した.そして,両者の間の相関関係を分析評価した.1回当たりの平均停留時間と総合評価との間には負の相関があり,短時間の観察を繰返す子どもの描画が高く評価されていることを明らかにした.さらに,「花びらの表現」や「茎葉の表現」の評価因子とも関係していることがわかった.
ISSN:0385-5236
2432-6038
DOI:10.15077/jmet.19.3_151