献腎移植において移植後1年目の腎機能に関与する臨床因子の検討

【目的】献腎移植後1年目の腎機能に影響を及ぼす臨床因子の検討を行った。【対象・方法】2001年7月より2018年8月までに当院で施行し、転院、小児例などを除いた20歳以上の献腎移植35例(心停止下23例、脳死下提供12例)を対象とした。2020年4月30日時点での当院診療録及び日本臓器移植ネットワークからのドナー情報より評価し、名義変数に関しては平均値の比較、連続変数は1年目のeGFR 値を従属変数とした単回帰分析を行った。単変量解析で有意差を認めた項目で多変量解析にて検討した。【結果】対象症例の移植後1年目のeGFRは平均45.4 ± 14.9、中央値44.2 ml/min/1.73 m2で...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 55; no. Supplement; p. 361_3
Main Authors 高橋, 雄介, 太田, 康介, 藤原, 拓造
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2020
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.55.Supplement_361_3

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Summary:【目的】献腎移植後1年目の腎機能に影響を及ぼす臨床因子の検討を行った。【対象・方法】2001年7月より2018年8月までに当院で施行し、転院、小児例などを除いた20歳以上の献腎移植35例(心停止下23例、脳死下提供12例)を対象とした。2020年4月30日時点での当院診療録及び日本臓器移植ネットワークからのドナー情報より評価し、名義変数に関しては平均値の比較、連続変数は1年目のeGFR 値を従属変数とした単回帰分析を行った。単変量解析で有意差を認めた項目で多変量解析にて検討した。【結果】対象症例の移植後1年目のeGFRは平均45.4 ± 14.9、中央値44.2 ml/min/1.73 m2であった。単変量解析で有意差を認めた因子はレシピエント年齢、レシピエントBMI、ドナー年齢、提供前ドナー血清クレアチニン値、提供病院搬入より臓器提供までの時間、移植後透析日数、移植後1年以内のサイトメガロウイルス感染、急性拒絶の発症であった。これらの項目で行ったステップワイズ法による重回帰分析で有意差を認めた因子は急性拒絶の発症とドナー年齢であった。また、ドナーに関する因子のみで行った多変量解析でもドナー年齢が移植後1年の腎機能に有意に影響していた。【考察・結語】症例数が少なく充分な統計学的解析ではないが、献腎移植においてドナー年齢は移植腎機能を反映しているものと考えられた。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.55.Supplement_361_3