石英および珪質堆積物の摩擦強度回復特性の解明に向けた直接剪断型摩擦実験機構の構築

2011年の東北地方太平洋沖地震を引き起こした日本海溝には、太平洋プレート上に堆積した珪質堆積物が沈み込む。また沈み込みに伴う珪質堆積物の続成作用による脱水反応によって、日本海溝におけるスロー地震が発生している可能性も指摘されている。そのため珪質堆積物の続成過程とそれに伴う摩擦特性変化は、日本海溝における地震活動の理解に重要である。本研究では珪質堆積物の摩擦実験に向け、既存の油圧三軸試験機に直接剪断試験機構を組み込んだ。直接剪断機構は従来のプレカット型に比べて変位が長く取れ、かつ変形中に垂直応力が変化しないというメリットがあり、摩擦特性をより詳細に測定できる。本発表では続成過程の最後である石英...

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Published inAnnual Meeting of the Geological Society of Japan Vol. 2024; p. 210
Main Authors 吉岡, 純平, 奥田, 花也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地質学会 2024
The Geological Society of Japan
Subjects
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ISSN1348-3935
2187-6665
DOI10.14863/geosocabst.2024.0_210

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Summary:2011年の東北地方太平洋沖地震を引き起こした日本海溝には、太平洋プレート上に堆積した珪質堆積物が沈み込む。また沈み込みに伴う珪質堆積物の続成作用による脱水反応によって、日本海溝におけるスロー地震が発生している可能性も指摘されている。そのため珪質堆積物の続成過程とそれに伴う摩擦特性変化は、日本海溝における地震活動の理解に重要である。本研究では珪質堆積物の摩擦実験に向け、既存の油圧三軸試験機に直接剪断試験機構を組み込んだ。直接剪断機構は従来のプレカット型に比べて変位が長く取れ、かつ変形中に垂直応力が変化しないというメリットがあり、摩擦特性をより詳細に測定できる。本発表では続成過程の最後である石英およびいくつかの珪質堆積物についてslide-hold-slide試験を行い、これらの試料の摩擦強度およびその回復特性について報告する。
Bibliography:T10-P-13
ISSN:1348-3935
2187-6665
DOI:10.14863/geosocabst.2024.0_210