点眼剤容器の操作性に関する評価 1滴滴下に及ぼす点眼剤容器角度の影響

緒言 近年, 医療用に用いられる点眼剤は, 種々の容器形態のものが市販されているが1,2), その使用法は製品ごとに特徴がみられ, 患者が実際に点眼する際の点眼剤容器の押しやすさや操作性を含めた使用性が異なると思われる. 当院採用の点眼剤74製品においても, それらの容器の形状, 材質および構造は同じ5mL容器の製品でもその操作性は大きく異なっている. 特に, 点眼剤容器の特性である薬液1滴を滴下するときに要する押し出し力(以下, スクイズカという)およびその際の1滴重量の変動が予測され, 患者が点眼剤を使用する回数に大きく影響を及ぼすものと考えられる. 「医療用点眼薬の意識調査」の結果3)に...

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Published in医療薬学 Vol. 30; no. 7; pp. 475 - 482
Main Authors 高橋, 佳子, 足立, 亜紀子, 濱口, 常男, 山下, 典子, 樋上, 智子, 倉本, 美佳, 門林, 宗男, 合田, 昌子, 檜垣, 文子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.07.2004
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.30.475

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Summary:緒言 近年, 医療用に用いられる点眼剤は, 種々の容器形態のものが市販されているが1,2), その使用法は製品ごとに特徴がみられ, 患者が実際に点眼する際の点眼剤容器の押しやすさや操作性を含めた使用性が異なると思われる. 当院採用の点眼剤74製品においても, それらの容器の形状, 材質および構造は同じ5mL容器の製品でもその操作性は大きく異なっている. 特に, 点眼剤容器の特性である薬液1滴を滴下するときに要する押し出し力(以下, スクイズカという)およびその際の1滴重量の変動が予測され, 患者が点眼剤を使用する回数に大きく影響を及ぼすものと考えられる. 「医療用点眼薬の意識調査」の結果3)において, 患者を含む一般人にとって点眼剤は容器の使いやすさ, すなわち容器の操作性が重要であると報告されている. したがって, 点眼剤のコンプライアンス向上のため, 点眼剤の容器の操作性に関する要因を評価することは重要であると考えられる. 点眼剤の操作性に関する報告は, 主として抗緑内障点眼剤の副作用防止の観点から容器特性に係わる点眼剤容器から押し出される1滴量の制御4-6)およびその最小容量化7)などの点眼剤容器設計に関するものである.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.30.475