市販直後調査の臨床的評価 市販直後調査より報告された副作用シグナルの特徴

治験時においては, ある特定の極めて限定された患者集団からデータを得るため, その情報には限界があり, 5つのToo+1つのOnly(toofew(あまりに症例数が少ない), too simple(あまりに患者の構成が単純), too median aged(あまりに成人層に偏っている), too narrow(試験の組み入れ基準が厳密で適応症が狭い), too brief(試験期間があまりに短い), Only specialist(専門医により治験が実施))が指摘されている. このため医薬品が市販された後は, 患者背景の多様化や, 使用患者数の急激な増加に伴い, 治験時には発現のなかった未知...

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Published in医療薬学 Vol. 31; no. 8; pp. 632 - 637
Main Authors 渡辺, 享平, 前田, 定秋, 矢野, 良一, 脇屋, 義文, 政田, 幹夫, 青野, 浩直, 萱野, 勇一郎, 塚本, 仁, 谷, 大輔, 後藤, 伸之, 白波瀬, 正樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.08.2005
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.31.632

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Summary:治験時においては, ある特定の極めて限定された患者集団からデータを得るため, その情報には限界があり, 5つのToo+1つのOnly(toofew(あまりに症例数が少ない), too simple(あまりに患者の構成が単純), too median aged(あまりに成人層に偏っている), too narrow(試験の組み入れ基準が厳密で適応症が狭い), too brief(試験期間があまりに短い), Only specialist(専門医により治験が実施))が指摘されている. このため医薬品が市販された後は, 患者背景の多様化や, 使用患者数の急激な増加に伴い, 治験時には発現のなかった未知の副作用が発症する可能性がある1). したがって, 新医薬品の市販直後における十分な安全性確保はわが国だけでなく各国の共通の課題であるため, わが国における市販直後調査制度は, 検討の初期段階から欧米の医薬品規制当局や製薬団体の関心を呼び, その成果が注目されている2). 本制度は2001年10月より施行されており, 当初から調査結果をいかに有効な方法で医療機関へフィードバックし安全対策を徹底させるかが重要となっていた.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.31.632