ブタを用いた臓器摘出シミュレーションにおける麻酔管理とヒトの脳死臓器摘出における呼吸循環管理の違い

脳死臓器摘出は年間50件前後を推移している。本邦では実際の経験数が少ない施設が大半で呼吸循環管理の経験を重ねることは難しい。当院ではブタを用いた臓器摘出シミュレーションを行っている。ブタシミュレーションにおける麻酔管理とヒト脳死臓器摘出の呼吸循環管理との類似点と相違点を明示する。類似点:1)胸部操作に伴う血圧低下が酷似している。2)臓器灌流に必要なカテーテル留置や大動脈遮断といった手術操作の最終段階における血圧変動が酷似している。相違点:1)脳死モデルではなく脳死状態の循環変動は再現できない。2)ヘパリンの投与を行わない。3)血液製剤の使用を行わない。4)中心静脈カテーテルはカットダウンにより...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 55; no. Supplement; p. 374_2
Main Authors 平岡, 希生, 佐藤, 正章, 大西, 康晴, 山田, 高嗣, 菱川, 修司, 芝, 順太郎, 菊地, 紘彰, 岡田, 憲樹, 國田, 智, 竹内, 護, 眞田, 幸弘, 佐久間, 康成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2020
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.55.Supplement_374_2

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Summary:脳死臓器摘出は年間50件前後を推移している。本邦では実際の経験数が少ない施設が大半で呼吸循環管理の経験を重ねることは難しい。当院ではブタを用いた臓器摘出シミュレーションを行っている。ブタシミュレーションにおける麻酔管理とヒト脳死臓器摘出の呼吸循環管理との類似点と相違点を明示する。類似点:1)胸部操作に伴う血圧低下が酷似している。2)臓器灌流に必要なカテーテル留置や大動脈遮断といった手術操作の最終段階における血圧変動が酷似している。相違点:1)脳死モデルではなく脳死状態の循環変動は再現できない。2)ヘパリンの投与を行わない。3)血液製剤の使用を行わない。4)中心静脈カテーテルはカットダウンにより留置しており上大静脈の切離の前に引き抜きができない。類似点・相違点を理解しブタを用いたシミュレーションに麻酔科医が参加することはヒト脳死臓器摘出の呼吸循環管理を行う上で有用と考える。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.55.Supplement_374_2