腎移植後慢性拒絶反応のためのLiquid Biopsy~尿中エクソソームSYT17 (Synaptotagmin 17) の有用性

SYT17は、ヒト腎細胞によるin vitro評価で、炎症性サイトカインの相乗効果によって産生される遺伝子と示された。本研究ではSYT17と、診断・治療方法が確立されてないCAAMR(Chronic Active Antibody Mediated Rejection)との関連を、正常病理・線維化・薬物毒性群も含めた移植患者検体で検討した。まず、腎生検免疫染色で、SYT17蛋白はCAAMR群に強発現しており(FIg1)、移植腎内でも炎症による発現亢進が示された。次に、診断バイオマーカーとなる可能性を尿中エクソソームに注目して検討した。CAAMR群の尿検体で、SYT17蛋白が有意に高値であった(...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 55; no. Supplement; p. 339_1
Main Authors 村上, 正晃, 上村, 大輔, 篠原, 信雄, 堀田, 記世彦, 高田, 祐輔, 岩見, 大基, 樋口, はるか, 岩原, 直也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2020
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.55.Supplement_339_1

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Summary:SYT17は、ヒト腎細胞によるin vitro評価で、炎症性サイトカインの相乗効果によって産生される遺伝子と示された。本研究ではSYT17と、診断・治療方法が確立されてないCAAMR(Chronic Active Antibody Mediated Rejection)との関連を、正常病理・線維化・薬物毒性群も含めた移植患者検体で検討した。まず、腎生検免疫染色で、SYT17蛋白はCAAMR群に強発現しており(FIg1)、移植腎内でも炎症による発現亢進が示された。次に、診断バイオマーカーとなる可能性を尿中エクソソームに注目して検討した。CAAMR群の尿検体で、SYT17蛋白が有意に高値であった(FIg2)。さらに現行の検査では、群間の有意差を認めず、SYT17との相関関係もなかった。以上より、尿中エクソソーム内SYT17蛋白は、CAAMRの新規診断バイオマーカーとして有用である。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.55.Supplement_339_1