薬局薬剤師のパワーを移植医療に生かしたい

医療現場において薬剤師の職能を発揮する場面が増えている中、腎移植についても薬剤師の関与は必須となってきている。特に、術後すぐに開始される免疫抑制剤の血中濃度管理、ならびに副作用管理は移植術の成功を左右する重大な要素の1つであり、各病院で専門の知識を持った薬剤師を中心に正確にかつ手厚く行われている。 免疫抑制剤の血中濃度ならびに副作用のコントロールが落ち着き、病態が安定した患者は、退院して外来患者として長く免疫抑制剤の服用を継続することとなる。現在、外来患者の内服薬調剤は、院外の保険調剤薬局が担っている場合が多く、薬局薬剤師がその職能を発揮して、患者の薬学的管理をおこなっていくことになる。そのた...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 55; no. Supplement; p. 331_2
Main Authors 小俣, 江利果, 井口, 和弘, 寺町, ひとみ, 伊野, 陽子, 長内, 理大, 小長谷, 奈美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2020
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.55.Supplement_331_2

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Summary:医療現場において薬剤師の職能を発揮する場面が増えている中、腎移植についても薬剤師の関与は必須となってきている。特に、術後すぐに開始される免疫抑制剤の血中濃度管理、ならびに副作用管理は移植術の成功を左右する重大な要素の1つであり、各病院で専門の知識を持った薬剤師を中心に正確にかつ手厚く行われている。 免疫抑制剤の血中濃度ならびに副作用のコントロールが落ち着き、病態が安定した患者は、退院して外来患者として長く免疫抑制剤の服用を継続することとなる。現在、外来患者の内服薬調剤は、院外の保険調剤薬局が担っている場合が多く、薬局薬剤師がその職能を発揮して、患者の薬学的管理をおこなっていくことになる。そのため、薬局薬剤師は薬剤についての豊富な知識と共に、腎移植について医学的に理解することも必要である。一方で、院外薬局での投薬という限られた時間の中で、患者から多くの情報を聴取し、また多くの情報を提供することは難しい場合も多く、特に内服期間が長くなるにつれ、副作用や症状の確認が雑になることも考えられる。 本発表では、岐阜薬科大学附属薬局における腎移植患者の内服薬についての薬学的管理の現状、薬学的管理を効率よく行うための長期管理シートの開発と運用の結果について報告するとともに、薬局薬剤師から病院薬剤師に提案したいこと、病院薬剤師が薬局薬剤師に期待することなどについて活発に議論したい。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.55.Supplement_331_2