経口的焼灼術を施行した梨状陥凹瘻の3例

下咽頭梨状陥凹瘻とは,先天性の瘻管であり反復性の頸部感染症の原因となることが知られている.治療は頸部外切開による瘻管摘出術が一般的であるが,近年は経口的に瘻管を焼灼する報告が散見される.当院で経験した3症例のうち,1例では電気的焼灼後に化学的焼灼を追加し,2例で電気的焼灼とフィブリン糊の塗布を施行した.当院のすべての症例で頸部感染症の再発を認めなかった.経口的瘻管焼灼術は皮膚切開を伴わず,手術時間・入院期間も短かったため,頸部外切開と比較して低侵襲であった.下咽頭梨状陥凹瘻の治療の第一選択肢として経口的瘻管焼灼術を検討する余地があると考えられる....

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Published in口腔・咽頭科 Vol. 36; no. 1; pp. 70 - 75
Main Authors 黒瀬, 誠, 山本, 圭佑, 大國, 毅, 高野, 賢一, 角木, 拓也, 菅谷, 泰樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 2023
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology.36.70

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Summary:下咽頭梨状陥凹瘻とは,先天性の瘻管であり反復性の頸部感染症の原因となることが知られている.治療は頸部外切開による瘻管摘出術が一般的であるが,近年は経口的に瘻管を焼灼する報告が散見される.当院で経験した3症例のうち,1例では電気的焼灼後に化学的焼灼を追加し,2例で電気的焼灼とフィブリン糊の塗布を施行した.当院のすべての症例で頸部感染症の再発を認めなかった.経口的瘻管焼灼術は皮膚切開を伴わず,手術時間・入院期間も短かったため,頸部外切開と比較して低侵襲であった.下咽頭梨状陥凹瘻の治療の第一選択肢として経口的瘻管焼灼術を検討する余地があると考えられる.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.36.70