鼻副鼻腔悪性腫瘍の臨床統計

2002年から2011年の10年間に, 筑波大学附属病院耳鼻咽喉科に入院した鼻副鼻腔悪性腫瘍初回治療症例82例についてretrospectiveに検討を行った。男性60例, 女性22例, 年齢は63.1±14.6歳であった。原発部位別の症例数は上顎洞が最も多く40例 (48.8%), 鼻腔が28例 (34.1%), 篩骨洞が9例 (11.0%), その他が5例 (6.1%) であった。 上顎癌に対する治療は原則として術前放射線治療に動注化学療法を同時併用で行い, その後, 手術可能症例には手術を施行した。当科で治療を施行した上顎癌33例について, 疾患特異的5年生存率は57.0%であり他施設の...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 56; no. Supplement1; pp. s49 - s53
Main Authors 大原, 浩達, 原, 晃, 西村, 文吾, 田中, 秀峰, 田渕, 経司, 中山, 雅博, 大久保, 英樹, 芦澤, 圭, 村下, 秀和, 星野, 朝文, 和田, 哲郎, 吉村, 知倫, 中馬越, 真理子, 上前泊, 功, 廣瀬, 由紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 05.03.2013
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo.56.s49

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Summary:2002年から2011年の10年間に, 筑波大学附属病院耳鼻咽喉科に入院した鼻副鼻腔悪性腫瘍初回治療症例82例についてretrospectiveに検討を行った。男性60例, 女性22例, 年齢は63.1±14.6歳であった。原発部位別の症例数は上顎洞が最も多く40例 (48.8%), 鼻腔が28例 (34.1%), 篩骨洞が9例 (11.0%), その他が5例 (6.1%) であった。 上顎癌に対する治療は原則として術前放射線治療に動注化学療法を同時併用で行い, その後, 手術可能症例には手術を施行した。当科で治療を施行した上顎癌33例について, 疾患特異的5年生存率は57.0%であり他施設の報告とほぼ同等であった。 鼻副鼻腔がんの病理組織型ならびに浸潤範囲は症例によって多彩であるため, 症例毎に最適な治療の選択肢と適応の基準作りを進めていくことが重要と考えた。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.56.s49