臨床材料から分離した緑膿菌 (Pseudomonas aeruginosa) に対する抗緑膿菌剤の抗菌力について

1994年4月から10月までに各種臨床材料から分離した緑膿菌 (Pseudomonas aernginosa) 114株を用いて, 11種の抗緑膿菌剤の抗菌力を微量液体希釈法により測定した。また0抗原血清群別についても検討し, 以下の成績を得た。 1. 緑膿菌が多く分離された臨床材料は喀痰, 膿, 尿であった。 2. 血清群別では喀痰由来がG群, 膿由来と胆汁由来が1群, 尿由来がE群の検出が多かった。 3. 最も抗菌力が強かった薬剤はCefclidinであり, MIC50とMIC90はそれぞれ0.78μg/mlと6.25μg/mlを示した。次いでCiprofloxacinがMIC50で0.3...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 48; no. 10; pp. 1581 - 1589
Main Authors 村瀬, 光春, 佐伯, 修一, 宮本, 仁志, 半田, 智子, 武内, 望
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 25.10.1995
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ISSN0368-2781
2186-5477
DOI10.11553/antibiotics1968b.48.1581

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Summary:1994年4月から10月までに各種臨床材料から分離した緑膿菌 (Pseudomonas aernginosa) 114株を用いて, 11種の抗緑膿菌剤の抗菌力を微量液体希釈法により測定した。また0抗原血清群別についても検討し, 以下の成績を得た。 1. 緑膿菌が多く分離された臨床材料は喀痰, 膿, 尿であった。 2. 血清群別では喀痰由来がG群, 膿由来と胆汁由来が1群, 尿由来がE群の検出が多かった。 3. 最も抗菌力が強かった薬剤はCefclidinであり, MIC50とMIC90はそれぞれ0.78μg/mlと6.25μg/mlを示した。次いでCiprofloxacinがMIC50で0.39μg/ml, MIC90で12.5μg/mlであった。 4. 薬剤耐性率はCefclidinの0.9%からOfloxacinの40.4%に分布していた。耐性率30%以上の薬剤はCefpirome, Gentamicin, Ofloxacinであった。 5. Ceftazidime, Imipenem, Gentamicin, Ofloxacinのそれぞれの耐性株に対してCefclidinが最も抗菌力が強かった。そのMIC90はCeftazidime, Gentamicin, Ofioxacin耐性株すべてに6.25μg/mlであった。Imipenem耐性株にはCefclidinとTobramycinがMIC90 3.13μg/mlを示した。 6. Ceftazidime, Gentamicin, Ofloxacin耐性株にE群が多く分離されたが, Imipenem耐性株にはE群は分離されなかった。 7. 血清群別で最も抗菌力が強かった薬剤はA群にはCefclidin, B群にはTobramycinとCiprofioxacin, E群にはImipenem, G群にはCiprofloxacin, I群にはCefclidinとCiprofloxacinでありMIC90は3-13μg/ml以下に分布した。 8. 多剤耐性株は56株 (49.1%) 認められ, E群の全株 (12株) が7剤から9剤耐性であり, 他の血清群よりも多剤耐性傾向が強かった。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.48.1581