嗅神経芽細胞腫に対する臨床的検討
嗅神経芽細胞腫は比較的稀な鼻副鼻腔腫瘍である。今回過去10年間に当科で経験した嗅神経芽細胞腫症例に関し, 臨床所見や画像検査をもとに検討を行った。症例は男性3例, 女性3例であり, 主な初発症状は鼻閉, 鼻出血であった。病悩期間は比較的長く, 6例の内, 5例が初診時に局所進行症例であり, 3例で頸部リンパ節転移を認めた。治療及び治療予定症例は観察期間中全例生存しているが, 非治療の1症例は腫瘍死し, 1例は経過追跡不能であった。従来の手術治療, 陽子線治療を含めた放射線治療に加え, 近年化学療法併用により予後の改善が認められている。一方で本疾患は再発率が高いことが知られており, 当科症例も2...
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| Published in | 耳鼻咽喉科展望 Vol. 56; no. Supplement1; pp. s58 - s63 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
耳鼻咽喉科展望会
05.03.2013
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| Subjects | |
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| ISSN | 0386-9687 1883-6429 |
| DOI | 10.11453/orltokyo.56.s58 |
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| Summary: | 嗅神経芽細胞腫は比較的稀な鼻副鼻腔腫瘍である。今回過去10年間に当科で経験した嗅神経芽細胞腫症例に関し, 臨床所見や画像検査をもとに検討を行った。症例は男性3例, 女性3例であり, 主な初発症状は鼻閉, 鼻出血であった。病悩期間は比較的長く, 6例の内, 5例が初診時に局所進行症例であり, 3例で頸部リンパ節転移を認めた。治療及び治療予定症例は観察期間中全例生存しているが, 非治療の1症例は腫瘍死し, 1例は経過追跡不能であった。従来の手術治療, 陽子線治療を含めた放射線治療に加え, 近年化学療法併用により予後の改善が認められている。一方で本疾患は再発率が高いことが知られており, 当科症例も2例で再発を認め, 長期的かつ厳重な経過観察が必要と考えられた。 |
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| ISSN: | 0386-9687 1883-6429 |
| DOI: | 10.11453/orltokyo.56.s58 |