水道水硬度と脳血管疾患死亡との生態学的関連

脳血管疾患ならびに冠動脈疾患死亡率と水道水硬度には負の関連が報告されている。今回の生態学的研究では、大阪府において水道水の硬度と脳血管疾患死亡率との関連を調査した。各市町村における脳血管死亡率と水道水硬度の情報については公的文書より得た。各市町村における社会経済要因ならびにヘルスケア要因を補正するため、多重ロジステック回帰分析を用いた。今回の研究では、水道水硬度と脳血管死亡率との関連を実証することはできなかったが、女性においては、有意な負の量一反応関係を認めた。一方、男性では、 76.0mg/L以上の硬度と脳血管死亡率との問に有意な正の関連があった。しかしながら、男女間に有意な差は認められなか...

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Published in日本循環器病予防学会誌 Vol. 38; no. 2; pp. 101 - 104
Main Authors 田中, 景子, 三宅, 〓博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本循環器管理研究協議会 30.04.2003
日本循環器管理研究協議会
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ISSN1346-6267
DOI10.11381/jjcdp2001.38.101

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Summary:脳血管疾患ならびに冠動脈疾患死亡率と水道水硬度には負の関連が報告されている。今回の生態学的研究では、大阪府において水道水の硬度と脳血管疾患死亡率との関連を調査した。各市町村における脳血管死亡率と水道水硬度の情報については公的文書より得た。各市町村における社会経済要因ならびにヘルスケア要因を補正するため、多重ロジステック回帰分析を用いた。今回の研究では、水道水硬度と脳血管死亡率との関連を実証することはできなかったが、女性においては、有意な負の量一反応関係を認めた。一方、男性では、 76.0mg/L以上の硬度と脳血管死亡率との問に有意な正の関連があった。しかしながら、男女間に有意な差は認められなかった。今回の研究では、水道水硬度が脳卒中死亡に予防的であるという根拠を得ることはできなかった。
ISSN:1346-6267
DOI:10.11381/jjcdp2001.38.101