心臓移植実施施設と非実施施設の連携―移植・重症心不全診療啓発の重要性

心臓移植治療はStage D心不全に対する治療として古くよりガイドラインに推奨される治療法である。しかしながら国内におけるいまだ少ない心臓移植症例数のため、心不全治療としての心臓移植治療に携わる循環器内科医師の数も限られている。そのため、すべての重症心不全患者が移植を含めた重症心不全診療に精通した循環器内科医師によって診療を受けられているわけではない。 このような状況に対し、当院では、65歳未満の重症心不全患者に対する心臓移植、機械的補助循環を含めた治療について非実施施設医師を対象とする啓発活動を実施してきた。具体的には大学病院を含めた地域基幹病院に対する重症心不全診療研修会や、重症心不全症例...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 56; no. Supplement; p. s426
Main Authors 渡邉, 琢也, 福嶌, 教偉, 福嶌, 五月, 下島, 正也, 望月, 宏樹, 瀬口, 理, 羽田, 佑, 藤田, 知之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2021
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.56.Supplement_s426

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Summary:心臓移植治療はStage D心不全に対する治療として古くよりガイドラインに推奨される治療法である。しかしながら国内におけるいまだ少ない心臓移植症例数のため、心不全治療としての心臓移植治療に携わる循環器内科医師の数も限られている。そのため、すべての重症心不全患者が移植を含めた重症心不全診療に精通した循環器内科医師によって診療を受けられているわけではない。 このような状況に対し、当院では、65歳未満の重症心不全患者に対する心臓移植、機械的補助循環を含めた治療について非実施施設医師を対象とする啓発活動を実施してきた。具体的には大学病院を含めた地域基幹病院に対する重症心不全診療研修会や、重症心不全症例の紹介元病院に対する紹介後の治療経過を報告し、移植待機中、移植後の連携診療(Shared care)を依頼するなどを行ってきた。 2010年の臓器移植法改正、2011年の植込型補助人工心臓の移植への橋渡し治療の保険償還から約10年が経過し補助循環用ポンプカテーテルやDestination therapyの保険償還もあるなかで、これら非実施施設に対する移植を含めた重症心不全診療の啓発の重要性は今後も高まると考えられる。本セッションにおいては当院でのこれまでの試みを紹介しと今後の課題について提案したい。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.56.Supplement_s426