対人的適応感を向上させる中1ギャップ解消のための道徳教育プログラム-教材の組み合わせ方を変えた2つの道徳教育プログラムの比較を通して

本研究の目的は、向社会性と規範意識の育成によって対人的適応感を向上させる2つのタイプの道徳教育プログラムの効果検証を通して、中1ギャップを解消する道徳教育プログラム開発のための示唆を得ることである。そのために、ソーシャルスキルトレーニング(Social Skills Training;以下SSTと記述)と規範意識や思いやりを育成する道徳授業とを組み合わせた道徳教育プログラムを開発し、その効果を比較検討した。本研究の結果、次の点が示唆された。①生徒の対人的適応感の向上には、まずSSTや向社会性を育成する道徳授業によって学級に温かい道徳的雰囲気を醸成し、その後で、規範意識を育成する道徳教育プログラ...

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Published in道徳と教育 no. 334; p. 41
Main Authors 髙橋, 均, 森川, 敦子, 鈴木, 由美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本道徳教育学会 2016
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ISSN0288-7797
2435-1199
DOI10.34346/doutokutokyouiku.0.334_41

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Summary:本研究の目的は、向社会性と規範意識の育成によって対人的適応感を向上させる2つのタイプの道徳教育プログラムの効果検証を通して、中1ギャップを解消する道徳教育プログラム開発のための示唆を得ることである。そのために、ソーシャルスキルトレーニング(Social Skills Training;以下SSTと記述)と規範意識や思いやりを育成する道徳授業とを組み合わせた道徳教育プログラムを開発し、その効果を比較検討した。本研究の結果、次の点が示唆された。①生徒の対人的適応感の向上には、まずSSTや向社会性を育成する道徳授業によって学級に温かい道徳的雰囲気を醸成し、その後で、規範意識を育成する道徳教育プログラムが効果的である。②生徒の規範遵守意識を向上させるためには、温かい道徳的雰囲気の中で、他者への思いやりや共感をしっかりと育成する取組が効果的である。③道徳教育プログラムを開発する際には、道徳教育プログラムの要素だけでなく組み合わせ方にも配慮する必要がある。
ISSN:0288-7797
2435-1199
DOI:10.34346/doutokutokyouiku.0.334_41