鳥取県における新生児聴覚スクリーニング事業の経年的検討 行政との連携

鳥取県の新生児聴覚スクリーニングは, 県が各機関の連携のコーディネーター役を果たし, 比較的順調に広がってきた。県はマニュアルを作成し, 関係機関の実績報告を毎年集計している。H20年度は9割の産科がスクリーニングを実施し, 県下の5千人あまりの出生児の約80%がスクリーニングを受けているが, リファーの割合は1%前後で安定し, 偽陽性も全国平均より少ない。聾学校の早期教育の開始年齢は早くなっており, 保護者の精神面の支援には保健師の訪問指導が一定の役割を果たしている。しかし, 集計を行っていく中で, 当初定めた報告書では現状を捉えきれない部分があることがわかり, 保健師による保護者支援の内容...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 53; no. 3; pp. 232 - 238
Main Authors 長谷川, 賢作, 玉川, 友哉, 北野, 博也, 畠, 史子, 矢間, 敬章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 2010
日本聴覚医学会
Subjects
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.53.232

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Summary:鳥取県の新生児聴覚スクリーニングは, 県が各機関の連携のコーディネーター役を果たし, 比較的順調に広がってきた。県はマニュアルを作成し, 関係機関の実績報告を毎年集計している。H20年度は9割の産科がスクリーニングを実施し, 県下の5千人あまりの出生児の約80%がスクリーニングを受けているが, リファーの割合は1%前後で安定し, 偽陽性も全国平均より少ない。聾学校の早期教育の開始年齢は早くなっており, 保護者の精神面の支援には保健師の訪問指導が一定の役割を果たしている。しかし, 集計を行っていく中で, 当初定めた報告書では現状を捉えきれない部分があることがわかり, 保健師による保護者支援の内容が医療機関にフィードバックできていない部分があることがわかったため, 報告書式の変更を行うこととなった。今後も定期的に事業を総括して現状に則した変更を行っていくことが, スクリーニングを発展させることに繋がるであろう。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.53.232