ベネコートBMI-40とBMI-60との苦味マスキング効果の比較

「はじめに」食品添加物ベネコートBMI-40(BMI-40)および医薬品添加物食品添加物ベネコートBMI-60(BMI-60)はともに苦味マスキング剤として使用されている. BMI-40中の苦昧マスク主成分ホスファチジン酸(PA)は, 大豆レシチンにホスフォリパーゼDを作用させ, ホスファチジルコリン(PC)およびホスファチジルエタノールアミン(PE)を加水分解することにより製造されており, 約50%の分枝デキストランを含んでいる. 一方, BMI-60はエタノール分別法により大豆レシチンから直接PAおよびホスファチジルイノシトール(PI)を濃縮することにより製造されている1). われわれはB...

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Published in病院薬学 Vol. 26; no. 6; pp. 577 - 583
Main Authors 斎藤, 百枝美, 渡邊, 真知子, 尾形, 浩, 五十嵐, 暁子, 江戸, 清人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療薬学会 10.12.2000
日本病院薬学会
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ISSN0389-9098
2185-9477
DOI10.5649/jjphcs1975.26.577

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Summary:「はじめに」食品添加物ベネコートBMI-40(BMI-40)および医薬品添加物食品添加物ベネコートBMI-60(BMI-60)はともに苦味マスキング剤として使用されている. BMI-40中の苦昧マスク主成分ホスファチジン酸(PA)は, 大豆レシチンにホスフォリパーゼDを作用させ, ホスファチジルコリン(PC)およびホスファチジルエタノールアミン(PE)を加水分解することにより製造されており, 約50%の分枝デキストランを含んでいる. 一方, BMI-60はエタノール分別法により大豆レシチンから直接PAおよびホスファチジルイノシトール(PI)を濃縮することにより製造されている1). われわれはBMI-60を用いて, 苦味医薬品に対する苦昧マスキング効果を検討してきた. 特に, 小児科領域で苦味が最も問題となっている医薬品のうち, 粉砕硫酸ポリミキシンB錠(ground PL-B:gPL-B)および粉砕バクトラミンC錠(ground ST:gST)の苦味に対して, 砂糖(S)を甘味料として, 無糖ミルクココア(MC)をフレーバーとして添加したフレーバーBMI-60が, 顕著な苦昧マスキング効果を示したこと, また, 小児患者のコンプライアンスを改善させたことを報告した2, 3). 今回, BMI-60が製造中止となったため, 新たにBMI-40の苦味医薬品に対する苦味マスキング効果および臨床適用について検討した. 方法 1. 試料 BMI-40, BMI-60および分枝デキストラン(参松工業(株), 東京)は花王株式会社より提供を受けた. 硫酸キニーネは和光純薬試薬特級を用いた. MCは市販品(明治製菓(株))を, Sは市販品(日新製糖(株), 東京)を用いた.
ISSN:0389-9098
2185-9477
DOI:10.5649/jjphcs1975.26.577