多職種チームで行う「献体を用いた臓器摘出トレーニング」in Clinical Anatomy Laboratory Nagoya (CALNA)

【背景】脳死ドナー臓器摘出では、外科医だけでなく臨床工学技士(ME)・看護師・コーディネーター等多職種が関わる医療で、実際の手技を知っていればよりよい連携が可能かもしれない。献体されたご遺体の固定方法は進化しており、特殊な保存液で固定された状態は生体と類似しているため、手術トレーニングに用いることが可能となった。肺移植実施施設でない当院での実施施設へのとり組みの一貫として、心臓外科医・ME・医学生と合同で臓器摘出トレーニングを実行したので報告する。【トレーニング概要】開胸・心嚢切開し臓器評価方法を全員で確認した後、心灌流液注入用と肺灌流液ドレナージ用のカテーテルを各留置し、大血管を遮断し心臓摘...

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Published inJapanese Journal of Transplantation Vol. 56; no. Supplement; p. s105
Main Authors 福本, 紘一, 伊藤, 英樹, 仲西, 慶太, 杉山, 燈人, 中村, 彰太, 後藤, 和大, 六鹿, 雅登, 小山, 富生, 芳川, 豊史, 門松, 由佳, 碓氷, 章彦, 尾関, 直樹, 後藤, 真輝, 上野, 陽史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2021
The Japan Society for Transplantation
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.56.Supplement_s105

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Summary:【背景】脳死ドナー臓器摘出では、外科医だけでなく臨床工学技士(ME)・看護師・コーディネーター等多職種が関わる医療で、実際の手技を知っていればよりよい連携が可能かもしれない。献体されたご遺体の固定方法は進化しており、特殊な保存液で固定された状態は生体と類似しているため、手術トレーニングに用いることが可能となった。肺移植実施施設でない当院での実施施設へのとり組みの一貫として、心臓外科医・ME・医学生と合同で臓器摘出トレーニングを実行したので報告する。【トレーニング概要】開胸・心嚢切開し臓器評価方法を全員で確認した後、心灌流液注入用と肺灌流液ドレナージ用のカテーテルを各留置し、大血管を遮断し心臓摘出、続いて肺摘出を行った。続いてバックテーブルにて肺の植え込みができる状態にまで処理を行いトレーニング終了とした。心肺摘出に際して重要となる左房の処理については、操作を止め指導医にポイントを解説してもらいつつ、心臓外科・呼吸器外科の双方の考えを伝え、解剖を確認しながら行った。また、MEと肺灌流液ドレナージ経路の方法や肺灌流のタイミングなど細やかな部分まで共有できた。【結語】本トレーニングは多職種での手技と順序の確認に有用で、臓器摘出の際互いに心がけているポイントや考えも共有・理解できた。今後はプログラムを定型化し、実践に対応できるレベルに質を高めつつ、看護師やコーディネーターも含めて行う予定である。
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.56.Supplement_s105