改重回帰分析法による熱変性ガソリンの識別

熱変性を受けていないガソリン試料40個及び燃焼残査からの抽出ガソリン試料47個の合計87試料について,ガスクロマトグラムでキシレン以降に保持時間を持つ12成分を用いて改重回帰分析(DCR)で重相関係数(R)を計算し,熱変性した試料がガソリンと判断できる可能性について評価を行った.DCRは購入直後のガソリンと購入後数年を経過した市販ガソリンの2個を標準試料としてRを計算し,Rが0.85以上であればガスクロマトグラムのみからガソリンと判断でき,0.5以上0.85未満の場合はガスクロマトグラムと臭気等からガソリンと判断できる可能性があり,0.5未満についてはガソリンと判断できないことが判明した.更に...

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Published in分析化学 Vol. 55; no. 11; pp. 869 - 874
Main Authors 佐藤, 弘康, 肥田, 宗政, 三井, 利幸, 奥山, 修司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 2006
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.55.869

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Summary:熱変性を受けていないガソリン試料40個及び燃焼残査からの抽出ガソリン試料47個の合計87試料について,ガスクロマトグラムでキシレン以降に保持時間を持つ12成分を用いて改重回帰分析(DCR)で重相関係数(R)を計算し,熱変性した試料がガソリンと判断できる可能性について評価を行った.DCRは購入直後のガソリンと購入後数年を経過した市販ガソリンの2個を標準試料としてRを計算し,Rが0.85以上であればガスクロマトグラムのみからガソリンと判断でき,0.5以上0.85未満の場合はガスクロマトグラムと臭気等からガソリンと判断できる可能性があり,0.5未満についてはガソリンと判断できないことが判明した.更に,油類の異同識別をメーカーの明らかな標準試料と異同識別目的試料間でDCRを行ったところ,Rが0.999以上であれば標準試料と同一製品のガソリンと判断できることが明らかとなり,異同識別法としての有用性も示された.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.55.869