海洋深層水温浴のリラックス作用および睡眠への影響に関する研究 深夜勤務明け後の朝の入浴についての検討

わが国では近年, 海洋深層水に対する健康面からの関心が高まっている. 海洋深層水(以下, 深層水と略す)は, ミネラルを豊富に含み, 低温安定性(季節に関係なく低温安定), 清浄性(大腸菌や一般細菌がほとんどなく, 陸上からの化学物質にさらされることも少ない), そして熟成性(水深300m以下30気圧以上のもとで長い年月をかけてゆっくりと循環している間に熟成される)などの特徴を有する1). 先に著者らは, 深層水のリラクゼーション効果を科学的に明らかにすることを目的に, 深層水温浴による心理生理学的健康指標への影響について, 昼間勤務者を対象に, 水道水や海洋表層水(以下, 表層水と略す)の温...

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Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 67; no. 3; pp. 155 - 164
Main Authors 新村, 哲夫, 王, 紅兵, 堀井, 裕子, 鏡森, 定信, 関根, 道和, 張, 〓, アレックス, ガイナ, アリ, ナセルモアデリ, 荒谷, 哲雄, 長瀬, 博文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 2004
日本温泉気候物理医学会
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ISSN0029-0343
1884-3697
DOI10.11390/onki1962.67.155

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Summary:わが国では近年, 海洋深層水に対する健康面からの関心が高まっている. 海洋深層水(以下, 深層水と略す)は, ミネラルを豊富に含み, 低温安定性(季節に関係なく低温安定), 清浄性(大腸菌や一般細菌がほとんどなく, 陸上からの化学物質にさらされることも少ない), そして熟成性(水深300m以下30気圧以上のもとで長い年月をかけてゆっくりと循環している間に熟成される)などの特徴を有する1). 先に著者らは, 深層水のリラクゼーション効果を科学的に明らかにすることを目的に, 深層水温浴による心理生理学的健康指標への影響について, 昼間勤務者を対象に, 水道水や海洋表層水(以下, 表層水と略す)の温浴と比較検討を行った. その結果, 深層水温浴後の皮膚温は, 水道水や表層水浴より高く, 深層水には優れた温熱効果を有することが分かった2). また, 深層水温浴の睡眠への影響の検討では, 心理学的な指標で, 「寝つき」がよくなり, 「寝つき」スコアと副交感神経系の活動度の指標が相関することを報告した2).
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.67.155