農村地域の在宅高齢者のQOLとADL,身体機能および社会生活との関連

高齢者のQOL(Quality of Life)とADL(Activyties of Daily Living),身体機能および社会生活の関連について検討することを目的に,農村で生活する65歳以上の高齢者を対象に自記式の既存の調査表(KALS,VAS)により調査した.さらに,農作業による影響を見るために現在または過去において農業に従事した人(農業群)と,そうでない人(非農業群)の結果についても比較検討した.その結果,以下の結論を得た.1.男性は180人で,そのうち農業群は81人(45%),非農業群は99人(55%)であった.女性は231人で,農業群は135人(58.4%),非農業群は96人(4...

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Published in日本地域看護学会誌 Vol. 3; no. 1; pp. 93 - 96
Main Author 多田, 敏子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地域看護学会 2001
Japan Academy of Community Health Nursing
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ISSN1346-9657
2432-0803
DOI10.20746/jachn.3.1_93

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Summary:高齢者のQOL(Quality of Life)とADL(Activyties of Daily Living),身体機能および社会生活の関連について検討することを目的に,農村で生活する65歳以上の高齢者を対象に自記式の既存の調査表(KALS,VAS)により調査した.さらに,農作業による影響を見るために現在または過去において農業に従事した人(農業群)と,そうでない人(非農業群)の結果についても比較検討した.その結果,以下の結論を得た.1.男性は180人で,そのうち農業群は81人(45%),非農業群は99人(55%)であった.女性は231人で,農業群は135人(58.4%),非農業群は96人(41.6%)であった.2.平均年齢は,男女ともに農業群のほうが非農業群に比べて有意(p<0.001)に高く,男性において,農業群は74.3±6.8歳,非農業群では71.3±5.2歳であった.女性はそれぞれ74.4±6.9歳,71.0±4.7歳であった.3.QOLと年齢は関連なく,ADL,身体的および社会的機能が,QOLにおける有意な要因であった.4,QOL平均値は,男女ともに農業群と非農業群に明らかな差は見られなかった.5.QOLと社会生活との関連性が大きかったのは,男性であった.6.QOLと身体的機能との関連性が高かったのは,農業群の男性と非農業群の女性であった.
ISSN:1346-9657
2432-0803
DOI:10.20746/jachn.3.1_93