マイトマイシンC点眼液の薬剤学的検討

マイトマイシンC(MMC)点眼液は翼状片手術後の再発防止を目的として, 通常1~2週間使用する製剤であり, 多くの施設で院内製剤として調製され用いられている1-4). 点眼液としては, 数種類の組成が報告されている5, 6). 近年, 院内製剤の安定性が問題になっており, 製剤の安定性を考慮し, 使用期限を科学的根拠に基づいて保証することが特に重要となっている7, 8). また, MMCはpH依存性の分解を示することが報告されており, 製剤の安定性に注意を払う必要がある9-12). 一方, 点眼液は眼に対する刺激がなるべく少ないものが望ましい. このような観点から, 本研究では院内製剤として使...

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Published in病院薬学 Vol. 19; no. 3; pp. 230 - 233
Main Authors 河野, 健治, 安西, 貴三子, 中島, 新一郎, 荒井, 千春
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療薬学会 1993
日本病院薬学会
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ISSN0389-9098
2185-9477
DOI10.5649/jjphcs1975.19.230

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Summary:マイトマイシンC(MMC)点眼液は翼状片手術後の再発防止を目的として, 通常1~2週間使用する製剤であり, 多くの施設で院内製剤として調製され用いられている1-4). 点眼液としては, 数種類の組成が報告されている5, 6). 近年, 院内製剤の安定性が問題になっており, 製剤の安定性を考慮し, 使用期限を科学的根拠に基づいて保証することが特に重要となっている7, 8). また, MMCはpH依存性の分解を示することが報告されており, 製剤の安定性に注意を払う必要がある9-12). 一方, 点眼液は眼に対する刺激がなるべく少ないものが望ましい. このような観点から, 本研究では院内製剤として使用されている6種類のMMC点眼液の安定性と, 用いた点眼溶解液の刺激性について測定し, 得られた知見を総合して望ましいMMC点眼液について検討したので報告する. 実験の部 1. 試料 MMC注射剤はマイトマイシンS注(MMC 2mg/V, 塩化ナトリウム48mg/V, 協和醸酵(株))を用い, MMC原末は協和醸酵(株)より提供を受けた.
ISSN:0389-9098
2185-9477
DOI:10.5649/jjphcs1975.19.230