不適切自動診断編

「はじめに」臨床の現場や健康診断において12誘導心電図を記録すると, ほとんどの機種ではコンピュータによる自動診断プログラムにより, 記録終了と同時に診断名や所見名が自動的に記述される. 大変効率的で便利な機能であるが, この診断名や所見名に関しては, 心電図の専門家ばかりでなく, 心電図を専門としない医師や医療従事者も医療行為の一助とする可能性がある. したがって, その自動診断にあたってはより高い精度が求められる. 心電計各社の努力によって年々精度向上が図られ, その精度は決して低くはないレベルになってきたが, 実際にはいくつかの問題点が指摘されており, 最終的にこの自動診断結果を臨床に用...

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Published in心電図 Vol. 42; no. 1; pp. 43 - 52
Main Author 加藤, 貴雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 04.03.2022
日本不整脈心電学会
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ISSN0285-1660
1884-2437
DOI10.5105/jse.42.43

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Summary:「はじめに」臨床の現場や健康診断において12誘導心電図を記録すると, ほとんどの機種ではコンピュータによる自動診断プログラムにより, 記録終了と同時に診断名や所見名が自動的に記述される. 大変効率的で便利な機能であるが, この診断名や所見名に関しては, 心電図の専門家ばかりでなく, 心電図を専門としない医師や医療従事者も医療行為の一助とする可能性がある. したがって, その自動診断にあたってはより高い精度が求められる. 心電計各社の努力によって年々精度向上が図られ, その精度は決して低くはないレベルになってきたが, 実際にはいくつかの問題点が指摘されており, 最終的にこの自動診断結果を臨床に用いるためには, いまだに専門医のオーバーリードが不可欠である. 本シリーズでは, 専門医がみて明らかに不適切であると判断される自動診断心電図について, なぜそのような診断に至ったのかを考察し, その解決法を考えたい.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.42.43